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【コラム】施す人も同じ暑さの中だけれど・中国

Global News Asia 2023年7月21日 6時0分

 暑い毎日が続く。室内でエアコンと扇風機、サーキュレータまで動員しているにもかかわらず暑い。地球温暖化という言葉では済ませてはいけないほど暑さだ。家の中での仕事ですら、暑さにヘコタレテしまいそうになる。ワークマンなどの外で働く人用の涼しく仕事できるグッズはどれほど効果があるのだろう。

 そんな人たちのために、中国には、2020年以降、様々な「思いやりステーション」という場所ができた。湖北省の郵便局をキーポイントにした124か所。どれくらいの距離感覚であるかそれは広い国だから想像がつかないが、郵便を出しにいくなど一息できることはうれしい。その他に、交通警察や都市開発局、コミュニティーが設置している「思いやりステーション」もある。配達する仕事、清掃作業員など主に屋外労働者と言われるジャンルの方が気軽に使用できる場所だ。

 涼しい場所で、水分補給や休憩を、適度にとる。もう暑さに弱いのは気持ちが弱いからだとか、暑いから水分を取ると余計へたばるとか、根性論は言っていられない。

 山東省では、納涼ステーションというネーミングだ。また、ボランティアが、暑さの中作業している場所、街や畑を問わず出かけていき、ミネラルウォーターやスイカ、緑豆スープなどを届けているそう。

 緑豆スープは、日本的に値するものは経口補水液だろうか。緑豆には体を冷やして熱を取り除く効果がある。豆のスープだから、酸っぱくも辛くも無く、若干の甘味も感じることができるこの場合の甘味とは、その薬食の効能を表している重要な性質のひとつ。寒性と甘味が合わさると、『甘寒生津(かんかんしょうしん)』といって、潤いを生む作用があると中医学では考える。

消暑…熱感・口渇・汗出など暑熱症状を緩和する
利水…体内の余分な水液を尿として排出し、湿邪(しつじゃ)を取り除く
清熱…身体にこもった余分な熱を冷ます
解毒…体内の老廃物や毒素を取り除く
止渇…のどを潤して渇きをいやす

 などの効果が期待される。理にかなっている。さらに、人海戦術の納涼ステーションの方が、その場所に行かなくても暑気払いが速く助けられるかもしれない。多くの人民がいるから、それを助ける人民もいる。日本でもこういう取り組みはあってもよいのではないだろうか。

【編集 : fa】

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