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新規設立のベンチャー航空会社、風に乗れず失速

Global News Asia 2023年8月7日 11時30分

 2023年8月、アジアは世界で最も航空市場が成長している地域の一つ。しかし、その反面、新規参入のハードルも高く、多くのベンチャー航空会社が経営難に陥ったり、事故や事件に見舞われたりしている。

 オリエント・タイ航空は2000年に設立されたLCCで、日本や中国などへの国際線も運航した。しかし、2007年9月16日に発生したフェート島墜落事故で90人が死亡し、同社の信頼性は失墜。その後も安全管理や整備不良などの問題が相次ぎ、2018年に運航停止処分を受けた。

 ワン・ツー・ゴーは2003年に設立されたLCCで、タイ国内線を中心に運航していた。しかし、2007年9月16日に発生したプーケット島墜落事故で89人が死亡し、同社の安全性は疑われた。その後もパイロットの過労や整備不良などの問題が報道され、2010年に倒産した。

 タイ王国では、2010年代からLCCの市場が拡大。しかし、その多くは資金難や安全基準の不適合などにより苦戦した。特に2015年6月に発生したICAO(国際民間航空機関)の監査でタイの航空当局が不合格と判定されたことは、タイのLCCにとって大きな打撃となった。この結果、日本や中国など多くの国から新規就航や便数増加を禁止されるなど、ビジネス展開が制限されることになった。

 その中でも最も深刻な状況に陥ったのが、NokScootとThai Lion Air。

 NokScootは2014年に設立されたLCCで、タイ・ノックエアとシンガポール・スクートの合弁会社。アジア各地への国際線を運航していたが、ICAOの監査不合格により日本や韓国への就航ができなかったこと。さらにコロナ禍による需要減少などにより経営が悪化。2020年6月には資金繰りが困難になり、運航を停止。

 Thai Lion Airは2013年に設立されたLCCで、インドネシア・ライオンエアの子会社。タイ国内線やアジア各地への国際線を運航しいたが、ICAOの監査不合格により日本や韓国への就航ができなかったことや、コロナ禍による需要減少などにより経営が悪化した。2020年12月には資金繰りが困難になり、運航を停止。

 アジアで新規設立のベンチャー航空会社は、軌道に乗るまでにほとんど墜落してしまうという悲惨な現実に直面している。
【編集 : LF】

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