【コラム】涙…それは影武者の証

　最近話題にならなかったが、北朝鮮の一番偉い人には、影武者説が根強い。いきなり痩せて、その数日後にはもとより太って、刈り上げからくっきり見える耳の形が違うとか、本物は誰でショー状態時期があった。北朝鮮にもコロナが来ました、を公表する前だろうか。あれ？ 違う！ を言わせないタイミングで妹様、ワンポイントリリーフの姉様、そして娘様が登場してなるべく個体で出なくなるようにした。

　最近では、本来はちょっと序列が違うんじゃないかなと思われる肖像画で偶像崇拝化を試みている…往来のおじいちゃん、おとうさん、僕の順番ではなく、僕の両側をおじいちゃんとおとうさんが挟む状態で「僕が一番、今、偉い」にした。なぜ今なんだと思ったら、出たよ。

　2023年7月下旬に行われた、6・25戦争停戦協定締結70周年軍事パレード。この「戦勝節」には、中国やロシアのお歴々も出席していた。その席で、彼は泣いた。もしかすると、北朝鮮で今のこの暑い時期に流行る花粉症のようなものでの落涙だったのかもしれないが。

　では影武者の根拠だが…一応本人だからしゃべらなければならない(声を似せるのは今の時代AIがあるが)。歴代で使い捨ての影武者は、国民の苦労に対して感謝の気持ちを述べている。国民の苦労がわからないから僕なのに、感謝の気持ちを述べるだろうか。俺、影武者だけど、この後消されるけど、みんな頑張ってねというエールではないだろうか。

　涙に関しては、よく泣くと、なぜか韓国の研究者は泣いた場面の解説をする。泣き虫、涙もろい、感激屋さんなどなど記録映画などで確認できるという。それは独裁者だから、自己陶酔をしておりが理由のようだが…。中国ロシアのお歴々に、パレードに登場するミサイルや無人機を説明しながら、泣く必要はあるまい。

　こんなもの買ったり作ってないで、その金を国民の生活に回せよ。そんな抗議の涙だったりしたら…彼はもう草葉の陰に行ったであろう。影武者候補など、腐るほどいるのだから。
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