Infoseek 楽天

【コラム】韓国人にとって、鶏と犬はどちらが大切か

Global News Asia 2023年8月20日 10時0分

 40代の韓国人男性が逮捕(在宅起訴)された。容疑は動物保護法違反。この男性は、かつて養鶏場を経営していた。しかし、野良犬による被害にあい、経営破綻。鶏で利益を生み出すことができなくなった。飼い犬であれば、怒りをぶつける相手がいる。しかし、野良犬に怒りをぶつけても、1ウォンにもならない。彼は、犬を、食いたくもないほど憎んでいた。

 事件は2022年8月夜に起きた。養鶏場の近くを徘徊していた野良犬にカーボン素材の70センチほどの矢を貫通させた者がいた。野良犬でも痛くて痛くてしかたなかった。矢は致命傷にはならなかった。翌朝10キロほど離れた場所で、体に矢が刺さったままで見つかった。

 その後、矢が抜去され、健康になり、今は里親が見つかるのを待っている。伴侶犬になれる日は近いかもしれない。ただ、人間に恐怖を持っているので、メンタルも診てくれる訓練所に今はいる。

 古い首輪をしていていたが、認識票や登録チップは確認できなかった。野良犬だって事情がある。昔は飼い犬だったのだ。生きていくためには、養鶏場の鶏を襲わなければならないときがある。けれど、この事件は養鶏場周辺を徘徊していただけで襲ってやられたわけではなかった。

 犬1匹のために、警察は7カ月間の地道な捜査が続き、今年春に、男性は逮捕された。
男性は、身元がバレるのを恐れ、海外から20本矢を購入している。弓は、木と釣り糸の自家製だった。

 野良犬に襲われて、男性の人生は狂い、心まで病んだ。その上での犯行。襲われた野良犬は彼の養鶏場を襲撃したかもしれない。違うかもしれない。けれど、国や動物保護団体によって手厚い保護を受けるチャンスを得た。…人間に食べられる、あるいは、卵を産みつくしたら廃棄されるにせよ、犬に襲われて命を落とした鶏たち。

 無益な殺生は、動物虐待は、起こってはならない。けれど、助けなければならないのは、本当に、人間に捨てられた野良犬一匹だけだったのだろうか。
【編集 : fa】

この記事の関連ニュース