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【タイ】バンコクで2日連続、「お金見せて詐欺師」に声をかけられる

Global News Asia 2014年8月31日 17時18分

 2014年8月29日、前日に引き続き、2日連続で「お金見せて詐欺師」に声をかけられた。タイか日本のお札を見せてくれと言い、お札を受け取って枚数を数えている間に手品のように何枚か抜き取ってしまうという詐欺である。

 場所はソイ・カウボーイという繁華街。白昼、声をかけてきたのはアラブ系で恰幅のいい紳士風の男。アラブの石油王のような雰囲気を纏っており、詐欺を働くような輩には到底思えなかったので、筆者も気軽に応じてしまった。

 そのときのやり取りは次のような感じである。

「このあたりで美味い日本食レストランを知らないか? 寿司を食べたいんだ」
「それなら、そこの突き当たりを左に曲がって少し歩いたところに○○という日本食レストランがある」
「あんた、もしかして日本人か?」
「そうだ」
「俺は明日から大阪に行くんだ。バンコクから大阪までは飛行機でどのくらいかかる?」
「6時間くらいだ」
「100ドルは日本円でいくらになる?」
「え……」

 そこで筆者はガッカリとさせられた。おまえもか! と思った。

「たぶん1万円くらいだろう」
そう答えると、男から返ってきた言葉は案の定である。

「俺はまだ日本円を見たことがないんだ。もし持っていたら見せてくれないか」
「持ってないよ」
「そうか……。まあ、ありがとう」

 男はすんなりと引き下がった。そして最後に握手を求めてくる。筆者は一応、その握手には応じたのだが、それも少し怖かった。

 相手はお札の枚数を数えている間に手品のように何枚か抜き取ってしまうという神業を持つ男である。握手をしただけでその相手の何かを奪ってしまう能力とかも備えているのではないかと思ったのだ。

 握手を終えると、男は筆者の先をズンズンと歩いていく。そして筆者の教えた日本食レストランとは別の方向に道を折れて姿を消した。

 筆者はすぐに自分のズボンのポケットなどを確認し、何も持ち物がなくなっていないことにとりあえずホッとした。

 何となく「お金見せて詐欺師」のパターンというものが見えてきた。最初はまず道を訊いてくる。その次にタイバーツや日本円のレートの話になり、そして最後に実物のお札を見せてくれという話になるのである。

 それにしても、2日連続で「お金見せて詐欺師」に声をかけられるとは……。バンコクでは現在「お金見せて詐欺」のキャンペーン実施中なのか。それとも、筆者が彼ら詐欺師を引き寄せる不思議な力を発動してしまっているのだろうか。

【取材/撮影 : 小林ていじ】

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