Infoseek 楽天

児童婚や暴力に直面する少女に希望を「1000GIRLSプロジェクト」

Global News Asia 2023年11月21日 17時0分

 2023年11月21日、早すぎる結婚や性暴力など、少女が「女の子だから」直面する厳しい現実。紛争、気候変動、物価高騰など危機の高まりを受け、その状況は過酷さを増しています。世界では毎分22人の少女が18歳未満で結婚を強いられています。しかし少女たちは無力ではありません。彼女たちは未来を変える力を持っています。
国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンでは、クリスマスまでに1000人の少女のチャイルド・スポンサーを募集する「1000GIRLSプロジェクト」を始動しました。きたる11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー。少女が直面している現実と、少女の未来を変える支援「チャイルド・スポンサーシップ」についてご紹介します。

 ◆世界の少女たちは、今

毎分22人の少女が18歳未満で結婚させられています。結婚により教育を諦めてしまうだけでなく、早すぎる妊娠・出産は身体に悪影響を及ぼし、家庭内で立場の弱い少女は暴力を受ける可能性も高まります。
1億2,900万人の少女が学校に通えていません。女の子に教育は必要ないという考えのもと、厳しい家計の中で男の子の教育が優先されるほか、通学路が危険であることなども、女子教育の妨げとなっています。
世界の女性の約3人に1人が、身体的・性的暴力を経験しています。また、性的搾取を目的とした人身取引の被害者の9割が女性と少女です。暴力によるトラウマや、被害に対する周囲の偏見に苦しむこともあります。

 ◆少女たちの未来を変える支援、ワールド・ビジョンの「チャイルド・スポンサーシップ」

ワールド・ビジョンの代表的な支援プログラム「チャイルド・スポンサーシップ」では、途上国の少女を取り巻く課題に取り組んでいます。1日あたり150円、月々4,500円の継続支援で、女の子はもちろん、男の子や大人たちも巻き込み、地域の環境を変えていきます。チャイルド・スポンサーシップは、あなたと支援地域に住む子ども「チャイルド」が1対1でつながる顔が見える支援です。自分を応援してくれる人の存在が、少女にとって困難に立ち向かう力となります。

教育:女の子が学校に行けるよう家族や地域に働きかけ、学用品の支給などを通して学びを支えます。十分な教育を受けた女の子は、貧困から抜け出すことができます。
水衛生:井戸を設置することで、水汲みの負担から女の子を解放します。生理の時にも学校を休まなくてよいように、学校の女子トイレを整備します。
生計向上:農業・畜産の支援や職業訓練などを通して、家族が安定した収入を得られるようになることで、家計の負担を減らすための早すぎる結婚を防ぎます。
子どもの保護:暴力や虐待、搾取から女の子を守ります。少女たちに「暴力は当たり前ではない」と自らの権利を伝え、有害な慣習を変えられるよう地域全体に啓発を行います。

 ◆わたしは、闘う。立ち上がる少女たち

地域の少女を脅かす「早すぎる結婚」に「NO」
半数以上の少女が18歳の誕生日を迎える前に結婚する国、バングラデシュ。貧しく、また結婚による金銭的支払いの慣習がある地域では、児童婚は家族にとって必要なお金や家畜を手に入れる手段になります。
モニカさんも、児童婚が普通とされる家庭で育ちました。しかし、チャイルド・スポンサーシップの活動を通して早すぎる結婚の身体的・心理的ダメージを知った彼女は、家族を説得し、結婚から逃れることができました。さらに、仲間とともに児童婚を止めるためのチームを立ち上げ、その有害な影響についてコミュニティの中で啓発活動を行っています。モニカさんはこれまでに阻止した結婚は10件。地域の慣習を変えることは簡単ではありません。それでも、女の子たちの未来のために、今日も彼女は児童婚との闘いの最前線に立っています。

カンボジアのファリーさん(18歳)
貧しい家庭に育ったファリーさんは、服装などから差別を受け自信を失っていました。 しかし、ワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップによる活動を通して、生きていく上で必要なスキル「ライフスキル」を学んだ彼女は自信を取り戻し、今ではユースクラブのリーダーとして子どもたちを守り、夢を与えています

グアテマラのシエラさん(12歳)
シエラさんは児童婚 や 性暴力 が蔓延する地域に暮らしています。 ワールド・ビジョンのチャイルド・スポンサーシップによる活動を通して自分自身の「権利」を学んだ彼女は、子どもたちの生活改善ために地域のリーダーにニーズを伝え、保健センターの建設に貢献するなど、地域の希望になっています。

 チャイルド・スポンサーシップの支援により、少女たちとコミュニティに新たな気づきが生まれ、少女たち自身が立ち上がり「恐怖」が「希望」へと変わっています。
クリスマスまでに1000人の少女に希望を届けたいと願っています。ぜひ皆さまのお力を貸してください。
【編集 : 特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン コミュニケーション課 徳永美能里】

この記事の関連ニュース