2023年10月30日、日本オラクル株式会社の取締役会長、藤森 義明(ふじもり よしあき)氏をゲストとして迎えた上場企業特別講義が銀座オフィスで行われた。
藤森氏は、2018年3月22日にアメリカに本社を置く外資系IT企業の「日本オラクル株式会社」の取締役会長に就任。藤森氏は、LIXILグループや米ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)の日本法人で会長を務めるなどの経験を持ち、数々の功績を残す日本を代表する経営者のうちの一人である。
今回の上場企業特別講義のテーマは、『トップ経営者が語る光(成功)と影(ハードシングス)』。主催の株式会社パーソナルナビ 漆沢代表取締役がファシリテーターを務め、ゲストと対談形式で様々な角度から築き上げたキャリアについて話を聞いた。当日は、多くの経営者を含めた50名を超える参加者が会場に足を運んだ。
まず、漆沢氏は、現在に至るまでに数々のキャリアを築き上げてきた藤森氏に、30代でステージを日本からアメリカに移したその理由と当時の状況について聞くと「アメリカでアメリカ人と戦い、勝ちたい」という想いを胸に、日本の大手商社から、当時“世界で最強の会社”と呼ばれていたゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)への転職を決めたという。日本GEに入社して3年目の38歳のとき、当時の米GEのCEOを務めていたジャック・ウェルチから、グローバル規模の医療機器の一部門を一任するジェネラルマネージャーという役職を任された。想定外の規模の仕事に対しても常に前向きな姿勢で取り組み、邁進し続けた結果、2008年に日本GEの会長兼社長兼CEOへの就任を果たした。
続いて、漆沢氏が「日本と海外の人財教育の違い」について尋ねると、藤森氏は「日本にはリーダーやリーダーシップについての教育が海外ほど浸透していない」と答えた。藤森氏はアメリカで学んだ「リーダーシップ教育」の中で、地位を持たずに影響力をもって人を動かすのがリーダーだと学び、この学びから、100人いる組織なら100人全員がリーダーであるべきだという考えを得たという。
最後に、参加者からの質疑応答の時間が設けられると、20代女性から「若者が夢を持てる社会になるためにどのように声をかけたらよいか」という質問があがった。藤森氏は、「夢を言葉に出して語る場を作ることが有効ではないか」と回答し、現在の日本は「夢を持てない社会」ではなく「夢を語らない社会」になっているという課題についても言及した。質問者が多く、30分を超える質疑応答となったが、質問者一人ひとりに対して丁寧に対応する藤森氏の姿は非常に印象的だった。
SDGsの中で関心ある項目に対して質問すると、17つのゴール全てが重要であると答えた。その中でも「6番:安全な水とトイレを世界中に」の項目は、自身が社長を務めたLIXILとの関連性を強く感じていた。他にも、『5つのP(SDGs が採択された「2030アジェンダ」の前文に記載されている17の目標を達成するための基本的な原則や視点)』の中の、人間の尊厳を保つ(People)、持続可能な豊さを追求する(Prosperity)に当たる項目に関して特に関心を示していた。
藤森氏が取締役会長を務める日本オラクル株式会社は「日本のためのクラウドを提供」「お客さまのためのAIを推進」の2点を2024年の重点施策に掲げている。未来に向かって躍進し続ける日本オラクルと藤森会長の今後から目が離せない。
今回の上場企業特別講義の詳しい内容は、キャリアパスメディア『THE CAREER』をご覧ください。
藤森義明氏プロフィール | 日本オラクル株式会社 取締役会長
1951年生まれ。東京都出身。
1975年日商岩井(現:双日)に入社。1986年に日本GEに移り、1997 年米GEカンパニー・オフィサー、2001年にはアジア人初のシニア・バイス・プレジデントなど要職を経て、2008年、日本 GE 会長兼社長兼CEOに就任。
その後、2011年にLIXILグループ 取締役代表執行役社長兼CEOおよび中核事業会社であるLIXILの代表取締役社長兼CEOに就任。2016年6月までの約5年間にわたり、LIXILグループのグローバルな事業拡大をけん引した。2016年6月から2019年12月まで同グループ相談役。そのほかにも、過去に東芝 社外取締役、資生堂 社外取締役を務める。
現在は、武田薬品工業 社外取締役、ボストン・サイエンティフィックコーポレーション 社外取締役、日本オラクル 取締役会長、株式会社りらく 社外取締役、株式会社トライグループ 社外取締役を務めている。
東京大学工学部卒、米カーネギーメロン大学にて経営学修士(MBA)取得。カーネギーメロン大学ボードオブトラスティー。著書に『リーダーは前任者を否定せよ プロ経営者の仕事術』がある。
【取材 : パーソナルナビ編集部】
藤森氏は、2018年3月22日にアメリカに本社を置く外資系IT企業の「日本オラクル株式会社」の取締役会長に就任。藤森氏は、LIXILグループや米ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)の日本法人で会長を務めるなどの経験を持ち、数々の功績を残す日本を代表する経営者のうちの一人である。
今回の上場企業特別講義のテーマは、『トップ経営者が語る光(成功)と影(ハードシングス)』。主催の株式会社パーソナルナビ 漆沢代表取締役がファシリテーターを務め、ゲストと対談形式で様々な角度から築き上げたキャリアについて話を聞いた。当日は、多くの経営者を含めた50名を超える参加者が会場に足を運んだ。
まず、漆沢氏は、現在に至るまでに数々のキャリアを築き上げてきた藤森氏に、30代でステージを日本からアメリカに移したその理由と当時の状況について聞くと「アメリカでアメリカ人と戦い、勝ちたい」という想いを胸に、日本の大手商社から、当時“世界で最強の会社”と呼ばれていたゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)への転職を決めたという。日本GEに入社して3年目の38歳のとき、当時の米GEのCEOを務めていたジャック・ウェルチから、グローバル規模の医療機器の一部門を一任するジェネラルマネージャーという役職を任された。想定外の規模の仕事に対しても常に前向きな姿勢で取り組み、邁進し続けた結果、2008年に日本GEの会長兼社長兼CEOへの就任を果たした。
続いて、漆沢氏が「日本と海外の人財教育の違い」について尋ねると、藤森氏は「日本にはリーダーやリーダーシップについての教育が海外ほど浸透していない」と答えた。藤森氏はアメリカで学んだ「リーダーシップ教育」の中で、地位を持たずに影響力をもって人を動かすのがリーダーだと学び、この学びから、100人いる組織なら100人全員がリーダーであるべきだという考えを得たという。
最後に、参加者からの質疑応答の時間が設けられると、20代女性から「若者が夢を持てる社会になるためにどのように声をかけたらよいか」という質問があがった。藤森氏は、「夢を言葉に出して語る場を作ることが有効ではないか」と回答し、現在の日本は「夢を持てない社会」ではなく「夢を語らない社会」になっているという課題についても言及した。質問者が多く、30分を超える質疑応答となったが、質問者一人ひとりに対して丁寧に対応する藤森氏の姿は非常に印象的だった。
SDGsの中で関心ある項目に対して質問すると、17つのゴール全てが重要であると答えた。その中でも「6番:安全な水とトイレを世界中に」の項目は、自身が社長を務めたLIXILとの関連性を強く感じていた。他にも、『5つのP(SDGs が採択された「2030アジェンダ」の前文に記載されている17の目標を達成するための基本的な原則や視点)』の中の、人間の尊厳を保つ(People)、持続可能な豊さを追求する(Prosperity)に当たる項目に関して特に関心を示していた。
藤森氏が取締役会長を務める日本オラクル株式会社は「日本のためのクラウドを提供」「お客さまのためのAIを推進」の2点を2024年の重点施策に掲げている。未来に向かって躍進し続ける日本オラクルと藤森会長の今後から目が離せない。
今回の上場企業特別講義の詳しい内容は、キャリアパスメディア『THE CAREER』をご覧ください。
藤森義明氏プロフィール | 日本オラクル株式会社 取締役会長
1951年生まれ。東京都出身。
1975年日商岩井(現:双日)に入社。1986年に日本GEに移り、1997 年米GEカンパニー・オフィサー、2001年にはアジア人初のシニア・バイス・プレジデントなど要職を経て、2008年、日本 GE 会長兼社長兼CEOに就任。
その後、2011年にLIXILグループ 取締役代表執行役社長兼CEOおよび中核事業会社であるLIXILの代表取締役社長兼CEOに就任。2016年6月までの約5年間にわたり、LIXILグループのグローバルな事業拡大をけん引した。2016年6月から2019年12月まで同グループ相談役。そのほかにも、過去に東芝 社外取締役、資生堂 社外取締役を務める。
現在は、武田薬品工業 社外取締役、ボストン・サイエンティフィックコーポレーション 社外取締役、日本オラクル 取締役会長、株式会社りらく 社外取締役、株式会社トライグループ 社外取締役を務めている。
東京大学工学部卒、米カーネギーメロン大学にて経営学修士(MBA)取得。カーネギーメロン大学ボードオブトラスティー。著書に『リーダーは前任者を否定せよ プロ経営者の仕事術』がある。
【取材 : パーソナルナビ編集部】