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【フィリピン】狂犬病事情・ミンダナオ島オサミス発信

Global News Asia 2024年1月28日 11時0分

 2024年1月28日、フィリピンの旅行、滞在で気になるのが狂犬病です。日本では1956年を最後に狂犬病の発生がありませんが、フィリピンでは推定ですが毎年300~600人が狂犬病で死亡しています。(厚生労働省のWebサイトの情報)。

 私が訪問したオサミスのアニマルバイトクリニックでは2023年の10月から12月の3か月間で271人が犬や猫の嚙みつきによる暴露後ワクチンの注射を受けています。フィリピンではまだ現実の脅威として人々は犬や猫など動物と接しなければならないのです。

 フィリピンの街中を歩いていると首輪もしていない野良犬がたくさん歩いています。私の家の周りにも沢山の野良犬がいます。多くの野良犬はおとなしく近づいても人を避けていますが中には激しく吠え続ける犬もいます。ある犬は檻がら脱走して沢山の人を噛みつけて、今では折から出してもらえません。もし狂犬病に感染していれば人にも他の犬にも多くの被害が出ていた事でしょう。

 そして狂犬病の厄介なところは、狂犬病に感染している動物は初期段階では症状が現れず、見た目だけで狂犬病の有無を確定することが出来ない所に有ります。そこでフィリピンで旅行、滞在する際、野良犬や他の動物との接触には気を付けるべきなのです。
 
 もし犬や猫に噛まれたら最寄りの病院またはアニマルバイトセンターへ行き、暴露後ワクチンを注射してもらう必要が有ります。フィリピンでは噛まれた後に0日, 3日, 7日、最後が28日の合計4回の注射が推奨されています。オサミスの私立病院では1回3,000ペソ、合計12,000ペソが必要です。もしPhilHealthに加入していれば3000ペソの公費負担が有り自己負担が軽減されます。

 PhilHealthとはフィリピンの国民健康保健になります。在留カードなどを持つ外国人でも加入でき退職者の場合は年間 15,000 ペソの保険料で加入できます。

 このPhilHealthのサポートセンターはFacebookメッセンジャーで24時間健康に関する様々な質問に答えてくれます。Philippine Health Insurance CorporationがIDです。滞在先のアニマルバイトセンターやワクチン接種可能な病院の所在地を事前に調べておくのが良いでしょう。パブリック病院などは暴露後ワクチンの在庫を切らしていることが時々あるそうです。

※狂犬病について

狂犬病(Rabies)は、ウイルスによって引き起こされる哺乳動物に感染する致死的なウイルス感染症です。発症した場合、狂犬病は通常不治の病であり、致死率は非常に高いです。症状が現れると、ほとんどの場合は致死的な脳炎が進行し死亡に至ります。ただし感染が発見された段階で適切な治療がうけられ発病前に暴露後ワクチンが行われている場合や、早期に適切な治療が始まる場合には、生存の可能性があります。

犬や猫に噛まれた時
傷を洗浄する: 噛まれた傷を速やかに流水で洗浄します。石鹸を用いて優しく洗浄し、傷口の中に細菌や異物が残らないようにします。

抑制出血: 噛まれた部位が出血している場合は、清潔なガーゼや布を使って出血を抑えます。ただし、出血が激しい場合や大きな傷である場合は、医療専門家の助けが必要です。

医師の診察: 噛まれた傷が深い場合や、傷口の周りが赤くなり腫れている場合、感染のリスクが高い可能性があります。速やかに医師を訪れ、傷の処置や必要に応じて狂犬病予防接種を受けるようにしましょう。

狂犬病予防接種: 犬による噛み傷の場合、狂犬病のリスクがあるため、医師の指示に従って狂犬病予防接種を受けることが重要です。予防接種は早めに行うことが効果的です。

取材先 オサミスアミマルバイトクリニック、PhilHealthのサポートセンター、KonsultaMDオンライン診察
【執筆 : オサミス市在住14年目・上野浩一】

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