北海道を代表する魚【ホッケ】をブランド化しようと、全国で初めての実験が、北海道胆振地方の白老町で行われています。
水槽で泳いでいるのは“養殖のホッケ”です。
白老町で25日、およそ30匹のホッケが水槽に移され、「陸上養殖」のための実証実験が行われました。
白老町では、海産物全体の漁獲量が2013年に1万6000トン余りありましたが、2022年はおよそ8000トンと10年で半分に減少。
漁業者の安定的な収入の確保が、喫緊の課題となっています。
白老町 農林水産課 安藤啓一さん
「近年、海洋環境とかすごい変化していて、主要魚種が獲れない状況があったので、海洋環境に左右されない、新たな漁業の生産体制というこことで」
白老町は、実証実験を3年ほどかけて行う予定で、採算性や生産体制を確立したうえで、生で食べられる“養殖のホッケ”をブランド化したい考えです。
白老町によりますと、ホッケの陸上養殖は全国で初めてで、今後、町内の宿泊施設などで提供できるようにしていきたいということです。
この陸上養殖のホッケですが、食べた方によると“マグロとブリを掛け合わせたような美味しさ”ということです。
食感はマグロに似ていて、天然のホッケに比べて、陸上養殖のホッケは臭みが少ないとのことです。
さて、ホッケの生食が、どうして貴重なのか…という点ですが、札幌市手稲区にある「キテネ食品館」内の吉本水産・東城哲也さんに伺いました。
ホッケはアニサキスが多いので、やはり生食には馴染まないとされてきて、従来の流通は“干物”が主流となっています。
ただ実は、一度冷凍保存して、それを解凍して“干物”してから、さらに冷凍で保存する必要があります。
それが“ホッケの生食”が可能となれば、従来のプロセスが不要になるので、食べ方のバリエーションが増えるのではないか…。もし市場に出回るようになれば、ぜひ扱いたい…と、吉本水産の東城さんは話していました。