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北海道南西沖地震から31年 伝統ある3つの祭りが担い手不足から1つに集約『おくしりまるごと祭』子どもたちが見つめる「島の未来」

北海道放送 2024年7月15日 20時2分

北海道の南にある奥尻島で伝統ある3つの祭りが、担い手不足から今年から1つに集約されて開催されました。北海道南西沖地震以降、過疎に悩むその島を支えたいという動きも始まりました。

尻相撲「はっけよい!」
13日と14日、奥尻島で開かれた「おくしりまるごと祭」です。

藤田忠士記者
「うに汁なんですが…おいしい。磯の香りがして染みますね。これぞ奥尻」

祭りの名前には島の魅力を「まるごと」満喫できるという意味と、島に3つあった伝統の祭りを「まるごと」ひとつにしたという意味があります。南西沖地震から31年がたち島の人口は当時の半分に。担い手が減り祭りは1つに集約されたのです。

再会を喜ぶのは地震の際、学生ボランティアとして島で活動した田辺大さんら5人。およそ30年ぶりの奥尻です。

ボランティア活動した 田辺大さん
「極限状態に身を置いたことが人生の原点になっていて、私にとっても(奥尻島は)“第二の故郷”」

過疎に悩む島に恩返しがしたい。長野県で経営コンサルタントとして企業の支援に携わる田辺さんたちがつくったのは「未来を語り合う場」です。

小学生
「奥尻のいいところは、タヌキがいっぱいいること」「クワガタのことや星のことを書いた」「(奥尻町出身の)坂本拓己選手がプロ野球選手に選ばれたこと」

奥尻に暮らし、地震を知らない子どもたちが考える「島の自慢」にこそ、島に人を呼び込むためのカギがあると考えたからです。

ボランティア活動した 田辺大さん
「この会場にいる皆さんこそが宝だと思った。皆さんの日々の感覚や、いいところを伸ばしていく先に未来が見つかる」

傷ついた奥尻を知るかつての学生たちが島の未来のために動き始めています。

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