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速報 青信号で横断中の小学4年生の男児死亡、ワゴン車ではねた64歳に禁錮2年6か月の実刑判決…糖尿病の通院を半年も怠って自己判断「インスリン注射で意識障害はわかっていて、危険を軽視して運転した過失は重大」

北海道放送 2024年8月2日 9時58分

5月中旬、札幌市豊平区で、青信号で横断歩道を渡っていた小学4年生の男の子をワゴン車ではね、死亡させた罪に問われている64歳の男の裁判…札幌地裁は2日午前、禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、札幌市豊平区の会社員、花田光夫被告64歳は5月16日午前8時20分ごろ、自宅近くの市道の丁字路交差点で、意識もうろうの状態でワゴン車を運転、青信号で横断歩道を渡っていた小学4年生の男の子をはね、死亡させた過失運転致死の罪に問われています。

これまでの公判で、花田被告は「私自身は記憶なく、警察の調査の現場検証とかした感じでは、間違いない」などと話し、おおむね起訴内容を認めました。

検察は、糖尿病を患う花田被告が通院を半年も怠った上、事故前、インスリン注射を打っていたのに、食事をとらずに運転した状況などを下記のように指摘し、禁錮4年を求刑。

弁護人は「飲酒運転などの無謀な運転を伴うものではなく、今後、被告人は運転するつもりはない。社会内での更生が必要」として、執行猶予付きの判決を求めました。

公判では、被害者参加制度に基づき、亡くなった男の子の父親も法廷に立ち「事故ではなく、64歳の悪人による無差別な殺人事件。法律で与えられる最大の刑罰を与えていただきたい」と述べていました。

こうして迎えた2日午前の判決公判で、札幌地裁は「定期的な通院を怠るなど、指示を守らず、3度の入院。事故前日もインスリン注射で低血糖で、意識障害を起こすことはわかっていて、危険を軽視して運転した過失は重大。身勝手な犯行」と厳しく指摘。

その上で「今後、運転する意志はなく、十分な賠償が行われる予定で、前科前歴がないことを踏まえても、実刑は止むを得ない」として、禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

入廷後、赤いメガネを外し、椅子に深く腰かけて判決を受けた花田被告…判決後は、傍聴席に一礼して退廷、弁護人によりますと、今のところ「控訴しない」意向ということです。

■検察の冒頭陳述

・2013年から糖尿病を患い、インスリン注射で血糖値をコントロール
・医師から5週に1回の通院治療の指示
・去年10月30日を最後に通院なく、自己判断で血糖値をコントロール
・事故前日の5月15日、体調不良で注意力が欠け、札幌市白石区で追突事故
・事故当日の16日、前日より体調悪化
・それにも関わらず、インスリン注射後、食事とらずに出勤のため運転
・認知や判断能力が低下の状態でガードレールに衝突後、男の子をはねる

■弁護人からの被告人質問

・(なぜ、仕事を休まなかった?)入ったばかりで、ずっと抱えていた仕事があった
・運転前にインスリン注射したが、昔から朝食とることない
・缶コーヒーは飲み、買うまでは覚えている
・子どもたちが倒れているのを見て「俺がやったのかな」と
・病院に行き、注射して食事とれば防げたのが悔しい
・(遺族に対しては?)謝りたくても、謝りきれない
・自分にも子どもが3人いるので、同じ立場だったらすごく悔しい

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