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北海道留萌沖で旧ソ連の攻撃を受けた「三船殉難事件」から79年 慰霊祭で沈没船の調査報告 高齢化進む遺族と次世代への課題も浮き彫りに

北海道放送 2024年8月22日 18時20分

終戦直後、北海道留萌沖で樺太からの引き揚げ船が旧ソ連軍の攻撃を受けた「三船殉難事件」から22日で79年です。
留萌市では慰霊祭が執り行われました。

留萌市で営まれた遺族会主催の慰霊祭には、遺族5人を含め10人が参列し、犠牲者に鎮魂の祈りを捧げました。

三船殉難事件は、終戦からまもない1945年8月22日、樺太から小樽へ向かう3隻の引き揚げ船が、旧ソ連軍の潜水艦の攻撃を受け、小笠原丸と泰東丸が沈没、大破した第二号新興丸も含め、約1700人が犠牲になりました。

22日の慰霊祭には、沈没した2隻の海底調査を行った研究チームの代表の浦環さんも参列。

特殊なソナーを使った20日の調査で、初めて明らかになった海底に眠る2隻の状況が遺族に報告されました。

沈没船を調査したラ・プロンジェ深海工学会 浦 環 代表理事
「どこに2隻がいるのかを皆さんにお伝えしたい。海上に行ったとき、足元の下に船がどういうふうに沈んでいるかお示ししたい」

慰霊祭のあと、参加者らは日本海を望む三船殉難之墓に手を合わせました。

樺太引揚三船遭難遺族会 永谷操さん(83)
「(調査結果に)突然だったのでびっくりしている。この先どうなるか期待したい」

樺太引揚三船遭難遺族会 永谷操さん(83)
「亡くなった人たちはね、どんどん戦争が世界中で起きて、生きている者はなんとかせえと、怒っているかもしれないですね」

遺族の高齢化で慰霊祭の参加者は減り続ける中、事件を次の世代にどう継いでいくかが課題となっています。

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