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サハリン残留日本人が5年ぶりに集団一時帰国「私は日本を愛しています。制裁がなくなり、関係が改善されることを望んでいます」札幌の霊園で墓参り

北海道放送 2024年9月9日 19時11分

第2次世界大戦後、当時の樺太、いまのロシア・サハリンに留まらざるを得なかった日本人がいました。先週、5年ぶりに日本への集団一時帰国が行われ、残留日本人の2世らが墓参りをしました。

9月7日、サハリンからの帰国団が訪れたのは、北海道札幌市内の霊園です。

手を合せているのは、残留日本人たちが眠る墓。

樺太にはかつて、約40万人の日本人が暮らしていました。

しかし1945年8月、ソビエトが侵攻。戦後の混乱で日本に引き揚げられないまま、大勢の人たちがサハリンに残留を余儀なくされたのです。

サハリン残留日本人の一時帰国事業は1990年に始まりました。

しかし、新型コロナの流行や、ロシアのウクライナ侵攻の影響などで、サハリンと日本を結ぶ直行便はなくなり、一時帰国事業は2020年以降見送られてきました。

5年ぶりの一時帰国となった今回は、24人がウラジオストクと中国の北京を経由するルートで飛行機を乗り継ぎ、2日かけて札幌へやってきました。

そのなかの1人、ポロナイスクに住む佐藤静子さん78歳。

母のユキさんは日本の地を再び踏むことなく亡くなりましたが、その名は墓に刻まれています。

佐藤静子さん(78)
「私は日本を愛しています。私には日本の血が流れていますから。私たちはサハリンに住んでいるので、制裁がなくなり、関係が改善されることを望んでいます」

墓に描かれた2羽のカモメには、「日本とサハリンを自由に行き来できる平和な時代が続くように」という願いが込められています。

帰国団は、9月10日に、7日間の日程を終えて日本を離れる予定です。

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