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新型コロナワクチン定期接種…薄まる危機感 医療現場の声

北海道放送 2024年10月8日 20時32分

みなさんは新型コロナのワクチン、最後に打ったのはいつでしょうか。

10月から定期接種が始まっています。

医師
「これがコロナのワクチンになります」

10月から始まった新型コロナワクチンの定期接種。

65歳以上の高齢者と、60歳から64歳で呼吸器や腎臓などに基礎疾患がある人が対象です。

費用の一部は公費で賄われ、対象者の自己負担は最大7000円。

北海道札幌市の場合は、市の助成により3200円で接種することができます。

しかし…。

とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「65歳以上の人が(ワクチン接種を)断ってくる。『もういいわ』という言い方をして。この冬、若い人はほとんど打たなくて、お年寄りがかかったときに、やっぱり医療崩壊をすごく今から心配している」

新型コロナの5類移行から1年5か月。

薄れる危機感に医療現場からは不安の声が。

定期接種が始まった新型コロナワクチンを「もうひとホリ」します。

定期接種の対象となる高齢者は、新型コロナワクチンの接種について、どう考えているのでしょうか。

80代
「これから申し込もうかなと思っている。新型コロナにかかりたくないから」

60代
「(ワクチン接種を)やめないで受けようかなとは思う。母が高齢なので、会うときにもちょっと心配だし」

70代
「(接種の案内が)きたら受けるけどこない」

80代
「インフルエンザ?その予約はしてきた。コロナなんてひと言も病院でも言わないし、いま初めて聞いたから」

みなさん、ワクチン接種をする気持ちはあるようですが、定期接種が始まったことすら、知らない人もいました。

新型コロナウイルスはいま、変異株の「KP.3(ケーピースリー)」が流行していて重症化はしにくいものの、感染力が強いのが特徴です。

10月3日時点の北海道内の感染者数は、5週連続で前の週を下回っていますが、医療現場では、新型コロナウイルスとの戦いが続いています。

とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「(陽性者が)バタバタっと減ったなと思うと、突然また陽性者が増えたりで、くすぶってる感じ」

こちらのクリニックでは、副反応など、受診者の状況に応じて3種類のワクチンを使い分けていて、開始から1週間で、30人ほどが定期接種に訪れました。

ワクチン接種した人
「重症化のリスクが心配なので、(ワクチンを)打とうかと思った」

ワクチン接種した人
「基礎疾患が夫にあるので、もしうつっても困ると思い、今回打つようにした」

札幌市は、広報誌やホームページなどで接種を呼びかけていますが、新型コロナに感染する危機感が薄れている人もいると話します。

とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「(患者の)友達が『もうコロナ終わったし、打たなくていいよ』と言っていたと私に言う。今まで普通に接種券が届いて、『じゃあ打とうね』と言って、『はいはい』って言っていた人たちが、『いやもういいわ』って断られると、こっちも思っていないというか…」

藤本院長は、半年ほどで抗体の量が減少しはじめるため、感染拡大で医療のひっ迫を招かないためにも、ワクチンを打ってほしいと呼びかけます。

とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「最初の1~2回で打たなくなった人で、今かかってる人がすごく多い。正確な情報を聞いた上で打つべきかどうかを判断してほしい」

定期摂取の対象者は65歳以上、または60歳から64歳の基礎疾患のある方です。

全額自己負担の場合は1回1万5300円程度かかりますが、定期摂取の対象者の方は国の助成で自己負担は最大で7000円。自治体の助成もあるので札幌市の場合は3200円で摂取することが可能です。

期間はおおむね来年3月末までですが、札幌市はインフルエンザとの同時摂取をすすめていますので、来年1月末までとなっています。

新型コロナについては、年齢が上がるごとに重症化のリスクが高まるというデータがあります。

30代の人と比べて、どのくらい重症化するリスクがあるのかとういうと、60代は「25倍」、70代は「47倍」、80代は「71倍」と年齢が上がるほど重症化率が高くなっています。

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