「未来」が現実に近づいています。
北海道十勝地方の上士幌町では、無人で動く自動運転バスの全国初の実証運行が始まりました。
上士幌町内をめぐるかわいらしいバス。
運転席がなく、運転手もいない完全自動運転のバスです。
大内孝哉カメラマン
「車内に乗ってみました。乗り心地が良く、揺れも少なくとても快適です」
車体に取り付けられたカメラやセンサーの情報から、AIが人や車など検知し、自動で停止や発進します。
バスの運転手不足が深刻な中、上士幌町では町民の足を確保しようと、2022年から町内を循環するバスに自動運転バスを導入しています。
これまでは不測の事態が起きたときに備え、オペレーターが同乗する「レベル2」での運行でした。
しかし運行開始から2年が経ち、多くの走行データが得られたとして、町は、一定の条件のもと運転手やオペレーターを置かずに運行できる「レベル4」での実証運行を28日から始めました。
「レベル4」の自動運転バスが歩行者もほかの車もいる状態の公道を走るのは、全国で初めてです。
大内孝哉カメラマン
「交差点に来ましたが、運転手がいないバスでも自動で曲がりました」
上士幌町の中心部にある交通ターミナルからクリニックなどがある役場の北側までの約600メートルの運行。
車内や運転の状況は、交通ターミナルでリモート監視しています。
上士幌町民
「やっぱりうれしい。待ってさえいれば連れて行ってくれるのでありがたい」
上士幌町デジタル推進課 梶達 課長
「"未来の乗り物"感はあるが、これが最終的に目指しているところ。町民に便利な移動の選択肢を提供したい」
「未来」がどんどん「リアル」に。
実証運行は11月末まで続けられます。