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北海道「アウトレット」の一時代を築いた「レラ」が事実上閉館 ピーク時140超のテナントも現在は4店舗 北海道千歳市

北海道放送 2024年11月1日 22時24分

経営不振が続いていた「千歳アウトレットモール・レラ」が、11月1日「大規模商業施設」としての事実上の運営を終えました。

空港や駅に近いにも関わらず、なぜ20年足らずでこの日を迎えたのでしょうか。

11月1日の「千歳アウトレットモール・レラ」です。

泉 優紀子記者
「中を実際に一周してみたんですが、ほとんどの店舗の窓ガラスやドアに紙が貼られ、非常に閑散としています」

ピーク時は、140を超えるテナントがひしめいていたレラ。

しかし、売り上げの不振でテナントの撤退が相次ぎ、店の面積も当初の6分の1まで縮小したため、現在の設置者が北海道に店舗の「廃止」を届け出。

事実上、11月1日で施設の運営を終えました。

いま、施設内では、契約期間が残っている飲食店など4つの店が営業しているだけ。

それでも根強いファンが訪れていました。

兵庫から
「北海道旅行が好きで、来るたびに訪れている。顔見知りの店員もできたから、すごく寂しい。いつの間にかなくなっちゃって…」

東京から
「北海道にいたことがあって、思い出がある場所。レゴブロックを買ってもらって、楽しみでフードコートで箱を開けちゃったり」

新千歳空港にも近いため、外国人観光客も。

タイから
「日本食レストランに来た。とてもおいしかった」

レラは2005年、北海道内最大規模のアウトレットモールとしてオープン。

「型落ち」や在庫で残った高品質のブランド品が手ごろに買えるとあって、多くの客が押し寄せました。

しかし、5年後、三井アウトレットパーク札幌北広島のオープンで集客合戦が激化。

ラグジュアリーなブランドを数多く揃えた三井に対し、レラは、ターゲットをインバウンドに絞り差別化を図りましたが、新型コロナの感染拡大で客が激減しました。

さらに、理由がもうひとつ。

帝国データバンク札幌支店 渡辺雄大情報部長
「同じアウトレットモールでもレラは『屋外型』。三井アウトレットパークは『屋内型』。天候によって『屋外型』は滞在時間が短くなり(売り上げが)厳しい」

雨や風、雪がしのげない施設のカタチが、売り上げが伸びなかった要因と見られています。

レラは、残るテナントとの契約が満了した時点で、完全に閉館する見通しですが、気になるのは「その後」です。

泉 優紀子記者
「レラからわずか4キロほどの地点で建設中なのは、半導体メーカー「ラピダス」です。建物の全体像もようやく見えてきました」

次世代半導体の量産を目指す国家プロジェクト、ラビダスの周りには関連企業の進出が相次いでいます。

もともと千歳市は、札幌のベッドタウンとして若い世代に人気のマチ。

さらに、ラピダス関係者による人口の急増で、住宅地不足が課題です。

帝国データバンク札幌支店 渡辺雄大情報部長
「工場が稼働するとなると、従業員が必要になり、住宅の手当てがいる。(宅地などが)利用用途としてあると見ている」

道内「アウトレット」の一時代を築いたレラ。

今後は、国家プロジェクトを支えることになる…かもしれません。

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