「オレオレ詐欺」の手口で、北海道千歳市の80代の女性から現金210万円をだまし取ったとして、東京都足立区の31歳の男が逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、東京都足立区関原2丁目の無職、木本康寛容疑者31歳です。
木本容疑者は、7月3日から4日にかけて、千歳市に住む80代の女性に対し、息子のふりをして電話をし、現金が至急必要であるとうそをつくなどして、現金210万円を騙し取った疑いが持たれています。
警察によりますと、木本容疑者は80代の女性に「夫がいる女性を妊娠させてしまい、中絶費用や慰謝料などで500万円を要求されている」「相手に母さんのことを侮辱されて殴ってしまった。示談金が必要」などとうその電話をしました。
さらに、「弁護士と話し合いをしていて、弁護士事務所の若い人が受け取りに行くので現金を渡して欲しい」などと話し、80代の女性を札幌市内のJRの駅周辺に呼び出して、2回に分けて計210万円を騙し取ったということです。
80代の女性は現金を渡した後、息子に電話しましたが、やりとりが事実ではなかったことが判明し、警察に通報しました。
木本容疑者は10月19日、別の特殊詐欺事件で既に逮捕されていて、その際の取り調べや防犯カメラの映像などをきっかけに、北海道警察組織犯罪対策企画課と札幌手稲警察署の合同捜査で、今回の容疑を特定したということです。
警察の調べに対し木本容疑者は「私が回収していると思います」などと話し、容疑をおおむね認めているということです。
またこの時、80代の女性から現金を受け取りに行った「受け子」は、神奈川県の無職、武藤秀容疑者24歳で、10月23日にすでに詐欺の容疑で逮捕されています。
警察は木本容疑者と武藤容疑者が特殊詐欺グループの一員で、武藤容疑者が現金の受け取り役である「受け子」。木本容疑者が現金の回収役とみています。
また2人は「闇バイト」を通じて知り合い、匿名性の高いアプリを連絡手段にしていたとみて、警察は他の共犯者や余罪についても捜査を進めています。