11月16日、北海道南部の森町で起きた貨物列車の脱線事故。
JR北海道は、運転を見合わせていた函館線の森と長万部の間について、19日の始発からの運転再開を発表しましたが、この3日間で物流などに大きな影響が出ています。
藤田忠士記者
「貨物列車が脱線した現場です。車輪がレールからはずれ、奥側へと行ってしまっています」
事故がおきたのは、16日午前1時40分ごろ。
JR函館線の、森駅~石倉駅の間で、札幌方向に向かっていた貨物列車が脱線しました。
現場付近の住民
「シャーっというものすごいスピードで列車が行った音 今までにない音 家が揺れたの」
貨物列車は、機関車を含め21両編成で、脱線したのはそのうち5両。
脱線の始まりとなったとみられる踏切では、1メートル以上のレールが断ち切れていました。
事故の影響で、函館線は森と長万部の間で運転見合わせが続き、18日も特急22本を含む34本の列車が運休しました。
職員
「後ろのバスもご利用いただけます」
17日と18日に確保された函館と長万部を結ぶ代行バスは4往復。JR函館駅には、旅行客などの長い列ができました。
札幌でも、函館行きの手段を高速バスに切り替える人が。
函館から東京に帰る人
「土日はバスが満席で、月曜に2席空いていた。これからやっと東京に帰る」
物流の大動脈でもあるJR函館線。
運転手不足も重なり、各地の農協はトラックの確保に苦慮しています。
新砂川農協ではタマネギ100トンを1日遅れで発送する見込み。
士幌農協では、220トンのジャガイモを運べず、19日から通常の約2倍の13台のトラックを使い、遅れを取り戻したいとしています。
JR北海道は事故を受け、18日夕方に記者会見を開きました。
JR北海道 島村昭志 鉄道事業本部長
「当社としては、レールの腐食が脱線の原因の一つとなった可能性が高い」
JR北海道は、踏切内のレールに腐食があり、脱線の原因になった可能性が高いと明らかにしました。
これまでの検査では、把握できていなかったとし、あらためて詳しい検査を行って安全を確認したことから、19日の始発から森と長万部の間で運転を再開するということです。
大動脈がようやく、通常運行に戻ることになります。