日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんが11月13日に亡くなっていたことがわかりました。92歳でした。
若いころ、HBC制作のドラマの脚本も手がけた谷川さん。北海道内にも多くの足跡を残しました。
泉優紀子記者
「ここはHBCが放送した番組のフィルムやテープが保存されている倉庫です。こちらに谷川俊太郎さんが手がけた作品のフィルムが残されています」
HBCの地下倉庫に眠っていた1本のフィルム。HBCが制作し、1961(昭和36)年11月12日(日)に全国放送したテレビドラマ、東芝日曜劇場『ムックリを吹く女』(出演:大空眞弓・木村功・久米明ほか/演出:森開逞次・音楽:武満徹)。
谷川俊太郎さんが脚本を担当しました。
アイヌの血を引いていることを知った、大空眞弓さん演じる言語学者の娘が北海道を訪れ、アイヌの人々が置かれた現実を、目の当たりにするというストーリーです。
脚本を手がけた谷川さんは、当時30歳でした。
HBCでは『ムックリを吹く女』のほか、テレビドラマでは1962年放送の『祭』という作品、そしてラジオドラマ1本、合わせて3本のドラマの脚本を担当しました。
日本を代表する詩人として知られ、翻訳家の顔も持つ谷川さん。
「生きる」「朝のリレー」など教科書に取り上げられた詩や、「スイミー」「スヌーピー」などの翻訳でも知られ、親しみやすい言葉で幅広い年代の人に愛されました。
2001年には千歳市を訪れ、詩の朗読ライブを行っています。
谷川俊太郎さん
「つまんない、とんぼ取ってもつまんない、僕はとんぼに乗れないもん、つまんない、テレビ見たってつまんない、スイッチ切れば消えちゃうもん」
北海道内の複数の学校の校歌を手がけたほか、北海道を代表する菓子メーカー、「六花亭」の「会社の歌」社歌も谷川さんの作品です。
六花亭 総務部 越後晶之さん
「一日一生懸命おいしいお菓子を作ろうという思いになれる社歌ですね」
11月13日、老衰のため92歳で亡くなった谷川俊太郎さん。北海道内にも多くの足跡を残しました。