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日本の伝統的酒造りがユネスコの“無形文化遺産”へ 期待膨らむ酒造メーカー「日本酒が世界に広がるきっかけに」ワインの国のフランス人「日本酒は味の幅が広い」

北海道放送 2024年11月26日 20時41分

世界各地にそれぞれの伝統文化がありますが、その中でユネスコが国際的に保護していくべきだと認めたものが「無形文化遺産」です。

日本からは、歌舞伎、アイヌ古式舞踊、和食に和紙など22件がこれまでに登録されています。

その無形文化遺産に、あらたに「酒造り」が仲間入りしそうです。

日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」について、今月、ユネスコの評価機関が、無形文化遺産への登録を勧告しました。

バー店主
「(登録の勧告は)びっくりしました」


「酒蔵が無くなっているところが多いので、引き継ぐ人が出てくればいい」

来月、正式に登録が決まる見通しですが、早くも酒造メーカーの期待は膨らみます。

酒蔵メーカー
「(日本酒は)非常に神秘的な造り。一人でも多くのお客に理解していただいて、ゆくゆくは需要につながっていけばいい」

日本酒を世界にアピールするチャンスが到来!伝統な酒造りの魅力を「もうひとホリ」します。

日本酒大好き 石栗教行記者
「あまり飲むと編集がある…。2杯でいい」

「千歳鶴」で知られる日本清酒は、1872年創業の札幌の酒造メーカーです。札幌市中央区にある「千歳鶴酒(ちとせつるさけ)ミュージアム」にはおよそ30種の日本酒がズラリと並び、ほぼ全ての商品を試飲してから買うことができます。

日本酒好きの記者は、貴重な限定品「千歳鶴きたしずく」をいただきました。

日本酒大好き 石栗教行記者
「さっぱりした酸味が最初に来る。あとから深いコクが…」

去年新設したばかりの酒蔵は、この時期、来年の出荷に向けた酒造りで活気づいています。米は、日本酒造りに合った北海道空知の新十津川町産の酒造好適米を使用。この米とともに、日本酒の命ともいえるのが、「水」です。

日本清酒 桑原晶幸常務
「原料の水も札幌の地下水を使っていて、札幌の地下水は醸造酒を造るのに、たけている」

ミネラル分が豊富な豊平川の伏流水が千歳鶴の味わいを生み出します。蒸し上がった米を特別に食べさせてもらうと…

石栗教行記者
「水分がもう無いんですね」

蒸したコメに麹菌を加えて繁殖させ、麹を作る「製麹(せいぎく)」という工程は余計な菌が入らないよう、特別な部屋で行われます。その後、仕込みや搾りなど、さまざまな工程を経て、およそ60日で日本酒ができあがります。

この日本伝統の酒造りの技術は世界的にも珍しく、ユネスコの無形文化遺産に登録されれば、海外で日本酒の知名度がアップすることが期待されます。

日本清酒 桑原晶幸常務
「日本酒の国内需要は、頭打ちになってきている状況。国外への輸出は非常に重要と考えている。今は東南アジアが主体。ここ最近は韓国・アメリカ・ベトナムなど。(無形文化遺産登録が)世界に広がるいいきっかけになればとは思う」

札幌市中央区で、ワインと日本酒を提供するバーでは、すでに、外国人観光客が日本酒を飲むために店にやってきているといいます。

「ツタ子の酒場」を運営するMORK 小林美代取締役
「先日もインドネシアのお客が来て、「日本酒!サケ!」と。インバウンド客に来ていただけるように英語を喋ったり、フランス人のスタッフもいる」

ワインの国から来たフランス人スタッフが感じる日本酒の魅力は?

ツタ子の酒場 スタッフ レジス・レヴェールさん
「(日本酒は)幅広く味がある。辛口から甘口、濁り酒。白ワインっぽい酸味と甘みがあって、渋さ・苦みがないのはいいところ」

食卓や宴席を飾り、伝統儀式や行事とも結びついてきた日本独自の酒造りの文化が世界の遺産となる日はもうすぐです

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