大学入学共通テストまであと1か月。頑張っている受験生の皆さんも多いと思いますが、「学ぶ力が上がる」というある研究結果が今月発表されました。
大人にも効果が期待できるというその方法は…。
ありがたい研究結果を発表した先生が北海道教育大学岩見沢校にいます。
北海道教育大学岩見沢校 森田憲輝教授
「ジムにあるような自転車を使って、学生にこいでもらって、記憶力の実験をしている」
子どもの体育やスポーツ科学が専門の森田憲輝教授らは、記憶力に関する実験を行いました。
内容はこうです。
大学生44人を対象に単語15個を学ぶ日を、1日設けます。
学習する前に一方のグループは、20分間心拍数130ほどの「やや強めの運動」を、もう一方のグループは20分間、椅子に座って安静にしてもらった後に単語を覚えてもらいました。
学習した日から4週間後、6週間後、8週間後に学生たちに15個の単語を思い出して、紙に書き出すテストを受けてもらったところ、驚きの結果が!
北海道教育大学岩見沢校 森田憲輝教授
「運動した後に勉強すると、長期記憶が高まるという結果が出た」
体を動かしたあとに勉強をすればその記憶は8週間後も残っている。受験生には心強い研究結果です。
森田教授ら3大学の研究チームは11月、論文を発表、海外のスポーツ医学誌に掲載。大学生だけでなくすべての世代に効果が期待できるといいます。
北海道教育大学岩見沢校 森田憲輝教授
「共通テストまでの勉強法に取り入れると効率が上がるので、うまく活用してほしい」
一方、図書館やファストフード店でよく目にするこの光景。イヤホンを着け音楽を聴きながらの勉強スタイルです。
高校3年生
「クラシックやジャズが好きでよく聞く。気分が乗らなかったり、始める気にならないときは音楽を聴きながら勉強する」
大学4年生
「西野カナさんが好きなのでメドレーを作っている。静かな空間で勉強していると集中力が続かない」
高校3年生
「日本語のラップを聴いている。(やる気)出ますね、やる気しか出ない」
こちらの高校生もヘッドホンをしていますが…。
高校3年生
「ノイズキャンセルという機能があって。文字を読んでいるのに他の音が聞こえたらごちゃごちゃになって集中できない」
音楽を聴きながらの勉強って効果はあるの?そんな研究をしているのが北大文学研究院の安達真由美教授です。
北海道大学 文学研究院 心理学講座 安達真由美教授
「音楽を流すことによって気分が上がる。頭がよりはっきりし、その変化が集中力を上げる」
安達教授は様々な実験の結果、個人差はあるものの音楽が大好きな人は「推し」のアーティストの楽曲を聴くことで気分がアガり、結果的に頭が冴えて勉強の集中力も上がる傾向があると説明します。
ただ、注意点も。
北海道大学 文学研究院 心理学講座 安達真由美教授
「特に緊張しやすい人は、緊張によって勉強しながら聞いていた音楽を思い出すことが難しくなることがある。本番が近づく1か月前からは本番の状態をイメージして、普段は音楽聴いているけれども音楽は聞かないでやってみる」
大変な勉強も、運動や音楽を上手に活用して適度に「ながら勉強」するのも良いかもしれません。