北海道内には、数多くの野生動物が生息していますが、最近、よく耳にするのが冬眠をしないクマです。クマはなぜ、眠らないのでしょうか?
13日、北海道大学で開かれていたのは、高校生が野生動物について考えるプロジェクトです。
札幌市や釧路市、網走市の高校生が、それぞれの地域に生息する野生動物についての研究結果を発表しました。
参加した高校生
「シカと共存するには、シカの習性や生態を知ること、増えすぎたシカを捕獲することなどの取り組みを行うことが、今後重要だと思います」
学生たちは、野生動物たちの現状、そして今後、どのように共存していくべきなのかを話し合いました。
麻原衣桜記者
「全道各地に生息する野生動物。その中でも最近話題なのが、冬眠せずに生きるクマです」
真冬の住宅街を飛び跳ねるように走っているのは、犬ではなく“クマ”です。
今月9日の未明、北海道北部の小平町臼谷の住宅街にある防犯カメラが、その姿を捉えました。
現場は、小平町役場から直線距離で約2.5キロの場所で、周囲は山に囲まれています。
クマは山の方向に立ち去ったとみられますが、住宅は、目と鼻の先です。
住人
「まさかこの辺で、冬になっても冬眠しないクマがいるって、ちょっと怖いですね」
雪の中を走りまわるクマ。どうして冬眠しないのでしょうか?
北海道大学 文学院 伊藤泰幹さん
「“食い貯め”をして、十分に栄養状態がよくなってから、冬眠をそのまましてという形になるのですが、栄養状態がとてもよかったりすると、冬眠という行動をせずに活動しうるというケースはあります」
食べ物が充実していると、冬眠せずに冬を越す個体もいるというのです。つまり“冬眠しないクマもいる”という意識を持つ必要があるのです。
北海道大学 特任講師 池田貴子さん
「背景を想像してみようという意識があるだけでも、(クマと)遭遇しづらくなると思うし、そもそも(クマが)やって来ずらいマチを作るためには大事」
“クマは冬眠するはず…”と油断することなく、日常的に生ごみを外に置かないなどの対策をとることが大切です。