去年12月、札幌の歓楽街すすきのにある飲食店ビルで、提供された飲料水が原因で、客や従業員など男女27人が食中毒を起こしていたことがわかりました。
集団食中毒があったのは、札幌市中央区南3条西4丁目の五番街ビルです。
札幌市によりますと、去年12月29日、五番街ビル内の飲食店を利用した客や従業員の男女27人(男性9人、女性18人)に下痢や発熱、嘔吐などの症状があらわれました。
27人のうち5人は通院し、1人は入院していますが、全員回復傾向にあるということです。
今月4日、患者を診察した医師から札幌市に「五番街ビル内の飲食店を利用後に体調不良を呈した患者がいる」と保健所を通じて相談があり、札幌市はビルの中を調査しました。
調査の過程で、先月29日「水の濁り」「異臭」「断水」など異常があったことや、患者27人は複数店舗に及んでいることが判明。
また患者の便からノロウィルスが検出されたことから札幌市は、ビルの地下にある受水槽から各店舗に供給された飲料水がノロウイルスに汚染されていたことによる食中毒と断定しました。
札幌市は、受水槽がノロウイルスに汚染された原因は、調査中としています。
今回の集団食中毒を受け保健所は、五番街ビルの所有者に対して、水道法に基づき改善指示を行ったということです。
保健所によりますと、札幌市内で水を介したノロウイルスによる食中毒は初だということです。