一般のドライバーが自家用車を使って有料で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」。
札幌圏に続き、春から胆振の伊達周辺でも始まる見込みとなりました。
札幌市とは違う、地方ならでの事情とは、どんなところにあるんでしょうか。
アプリを使ってタクシーを呼ぶ男性。乗り込んだ車は、行灯が無い白ナンバーの自家用車です。
試乗した人
「タクシーが少ない時間帯に、すぐさっと呼べるので便利さを感じた」
伊達のタクシー会社『伊達ハイヤー』が、今年4月のスタートを目指し、準備を進めている“日本版ライドシェア”の体験試乗です。
“ライドシェア”は、タクシー会社が運営主体となり、2種免許を持っていない一般のドライバーが、自家用車を使い、有料で乗客を乗せる仕組みです。
運転手の不足を補うために、国が地域ごとに特別に認可するもので、北海道内では、すでに始まっている札幌圏に続き、伊達市周辺が2例目となります。
伊達ハイヤー 長澤直裕社長
「(伊達は)交通の空白地域がありますから、市民の足になれれば」
伊達市担当者
「地域の課題解決に向けて進んでいければと思っています」
北海道胆振地方では、バスやタクシーの運転手不足で、路線バスの廃止や減便、タクシーの深夜営業が休止するなど、影響が出ています。
北湯沢温泉や洞爺湖など観光地を営業エリアに持つタクシー会社『伊達ハイヤー』は、ここ数年、国内外の観光客の利用が急増し、週末は、夕方から配車が追いつかなくなるなど運転手の確保が課題でした。
伊達ハイヤー 長澤直裕社長
「泣く泣く断っていた状況でしたが、(ライドシェアが)活用できるようになれば、インバウンドも乗せることができるのではないかと思う」
このタクシー会社では、近く、数人を採用し、今年4月から自家用車1台を使い、毎週金曜日と土曜日の夕方から翌朝までの時間帯で運行を始めたい考えです。
堀啓知キャスター)
ライドシェアは、北海道内では、札幌圏では去年6月から始まっています。
森田絹子キャスター)
札幌圏では29社が「ライドシェア」の許可を受けていますが、会社側に取材しますと、「タクシーの運転手不足が解消しつつあり、ライドシェアに取り組む必要性が薄れてきている」と話しています。
また「一般の人の車に乗る」ことに抵抗感も根強く、需要が少ないといいます。
堀啓知キャスター)
大都市圏と地方では、ニーズが異なる場面も多いながらも、生活に欠かせない交通網をどう確保していくか、特に地方では、新たな発想が求められています。