貴田岡結衣 記者
「まもなく開場の午前8時です。このように入口の前には、長蛇の列ができています、日本の人だけではなく海外の人も多くいます」
29日から札幌市の大和ハウスプレミストドームで始まったeスポーツの国際大会「ALGSチャンピオンシップ」。
賞金総額は、約3億円。
世界33の国と地域から予選を勝ち抜いた40チーム、約120人の選手が出場するビッグイベントです!
ゲーム配信タレント(ポルトガルから)
「今まで参加してきた大会の中で最も大きい。素晴らしいものになるだろうね」
オーストラリアからの観客
「日本は初めて。外はとても寒いけど、もう暖かいから大丈夫。この大会の会場の雰囲気はとても素晴らしい」
アメリカからの観客
「きょうは第3、第4ゲームを見たよ。とても楽しかった」
オランダからの観客
「階段が大変。ジムでフィットネスしている気分。終わったら少し体重が落ちるかも」
競うのは、世界で1億人以上がプレイするシューティングゲーム「エーペックス・レジェンズ」。
3人1組でキャラクターを操作し、フィールド上に点在する武器やアイテムを集め、最後の1組になるまで戦います。
三國谷浩司 記者
「会場内並んでいる列の先にはゲームに登場するキャラクターに扮したコスプレイヤーたちとの記念撮影が行われています」
中国・深川からの観客
「やっぱり頂点に立つ人のプレイは見たい」
札幌市からの観客
「みんなで盛り上がりたい」
日本からも4チームが出場しています。
チーム「ミーティア」に所属する北海道出身のリブルエースさん(19)。
この日に向けて練習を積んできました。
リブルエースさん
「敵を倒してチームに貢献する”フラッガー”とい役割をやっています。地元で開催されるから一番出たかった。正直めちゃくちゃうれしい」
初日の29日は、決勝に進むチームを決める総当たり戦。
リブルエースさんの「ミーティア」は現時点で20チーム中8位と健闘しています。
また1位には、別の日本のチームがつけています。
主催するアメリカのゲーム販売会社は、大会が開かれる5日間で、延べ3万人の集客を見込んでいます。
プレミストドームを選んだ理由について、大会主催者は「ステージを組む広いスペースや観客席からの眺めなど、すべての条件がパーフェクト」だったと最高の評価でした。
eスポーツの魅力はどこにあるのか。札幌市在住の元プロゲーマーに聞きました。
大会初日、日本人チームの勝利を喜ぶのは南優(みなみ・ゆう)さん、21歳です。
国際大会への出場経験を持つ、元プロゲーマーです。
南さんは、高校2年生のとき、けがを理由に打ち込んでいたボクシングを諦め、ゲームの世界に。
多いときには1日10時間の練習をこなし、プロチームからスカウトがくるまでになりました。
南優さん
「ゲームセンスは大してなくて、プレイ時間でけっこう他の人よりやっている感じ。スポーツと一緒で努力は裏切らない」
そんな南さんから見る、eスポーツの魅力とは…。
南優さん
「どこか他の人と(体の)ハンデがあったとしても、誰でも世界を目指せる。軽い英語のコミュニケーションを取りながら(海外の人と)一緒にゲームをすることができ、普通のスポーツではあり得ないような年齢差で一緒にゲームすることができる」
一方で、プロゲーマーはどのように生計を立てているのでしょうか。
南優さん
「毎月いくらっていう給料をいただいたり、給料と別に配信で稼いだりとか。あとは(イベントなどの)案件とか仕事をして得られた報酬。その3点ががプロの主な報酬」
日本のプロゲーマーの平均年収は約400万円といわれていて、なかには1億円以上を稼ぐプロゲーマーもいます。
南優さん
「プロになる前とかは、『ゲームやっても将来なにも役に立たないでしょ』みたいなのが多かったんですけど、世間の目がだいぶ変わったなという印象。eスポーツがだいぶ浸透してきと実感」
eスポーツの業界は急成長していて、国内の市場規模は今年200億円を超えるとも言われています
いまやプロゲーマーは、子どもたちの“憧れの職業”にもなっているようです。