「闇バイト」に応募し、札幌市や仙台市で80代の女性から現金をだまし取ったとして、逮捕・起訴されていた31歳の男の初公判が、札幌地裁で開かれました。男は起訴内容を認めた上で「お金を運ぶ以外は何も情報を聞かされていない」と話しました。
起訴状などによりますと、東京都足立区の無職、木本康寛被告(31)は、神奈川県の無職武藤秀被告(24)とともに、去年7月、仙台市に住む80代の女性に対し、息子を名乗って「女性トラブルで示談金が必要」などと嘘をつき、現金160万円をだまし取った罪に問われています。
初公判で、木本被告は、武藤被告が仙台市の女性から受け取った現金を運んだことについては「間違いないです」と認めた上で、「お金を運ぶ以外は何も情報を聞かされていないです。電話の内容とか相手が女性とか何も知りませんでした」などと話しました。
弁護側は「詐欺罪の成立は争わない」としています。
検察側は、3日の冒頭陳述で、去年4月ごろ、木本被告がSNSで仕事を探していたところ、SNS上で知り合った指示役から「ホワイトな仕事、日当3万円、トイレで荷物を受け取り運ぶ仕事」などと紹介されて犯行に加わったと指摘。
指示役から「シグナル」というアプリを通じて指示を受け、仙台市内の楽天モバイルパーク宮城の公衆トイレで、武藤被告から現金を受け取ったと指摘しました。
次回の裁判は3月26日に開かれます。
木本被告は、去年11月、千歳市の80代の女性から現金210万円をだまし取った詐欺の疑いでも逮捕・送検されています。