初めて会う相手と交換する「名刺」。会社勤めの皆さんは、会社から支給されていると思いますが…
堀内大輝アナウンサー
「HBCの堀内と申します。よろしくお願いします」
戸叶さん
「戸叶と申します、よろしくお願いします」
堀内アナ
「HBCの堀内と申します。よろしくお願いします」
小形さん
「小形と申します、よろしくお願いします」
堀内アナ
「お2人これ同じ部署ですけど、名刺デザイン違うんですね?」
札幌市改革推進室推進課 戸叶茂樹課長
「それぞれの職員が、それぞれ業者に発注をして作っている」
多くの札幌市職員は、これまで「自腹」で名刺を作っていたのです。元・市職員のこの人も…
■秋元市長も職員時代“疑問に”
札幌市 秋元克広市長
「私自身、職員時代も、これは仕事に関係しないものなのか?と疑問を持ちながらやってきたけれども」
名刺事情を「もうひとホリ」します。
札幌市で働く職員は、およそ1万2000人(※教職員・消防職員を除く)。年間47万枚の名刺が使われていますが、企業誘致などに関わる一部の部署をのぞき、名刺代は「自腹」となっていました。
20年間、市職員として働いている、戸叶(とかのう)さんも、多い時は、年間6000円ほどかけて、自分で業者に発注して名刺を作っているといいます。
札幌市改革推進室推進課 戸叶茂樹課長
「もちろん市役所に入ったときは、最初に違和感は感じたけれども。それが普通だということで、ずっと今まできて。業者を呼んで頼むけれど、そのたびに…感じるものがあった」
名刺の作成費用について去年6月、秋元市長は…
札幌市 秋元克広市長
「予算執行で個人の名刺を、公費で作ることが「好ましくない」と、かなり前だが行政実例があって、そういうものに基づいて慣例的に行ってきた。若い人や民間企業から転職してくる人も多いので、違和感を感じる人も相当数出てきているのも事実」
■札幌市「名刺は職務上必要」とし原則、公費負担へ
札幌市は、2023年11月ごろから、名刺を「公費」で負担する検討を開始。そして先月末、「名刺は職務上必要なものである」と位置づけ、原則、公費負担で購入することになりました。
新たなデザインは、札幌市のスマイルロゴがベース。ロゴは、札幌市のシンボルの木であるライラックや雪をあしらったデザインなどが選べるようになっています。
費用は市役所地下の印刷センターで作れば、100枚で600円ほどです。
札幌市改革推進室推進課 戸叶茂樹課長
「長年受け入れてしまっていた、諦めていた、モヤっと感というか。それが晴れてスッキリして、これからはもっと気持ちよく仕事ができそうな気がする」
■北海道も公費負担へ、知事は“政治活動”も含まれるため自費
北海道のまとめでは、都道府県で職員の名刺を公費負担しているのは、東京都と15の県だけだそうです。
多くの公務員の皆さんは、いわゆる「自腹」で名刺を負担しているということになります。
北海道も、これまでは自費で負担でしたが、今後は公費で購入できるようにする方針です。ただ、鈴木知事は、政治活動で名刺を使う場面もあることから、これからも自己負担とする考えです。
◇名刺で自治体をPR
「名刺のり」(佐賀県佐賀市)…2017年に特産の海苔をPRするため、本物の海苔をつかった「名刺のり」を製作
・レーザーカッターを使った精巧なデザイン
・佐賀とゆかりのある著名人100人が県外で配布
「手づくり名刺」(栃木県鹿沼市)…2012年から大学と共同して特産品などをモチーフにした名刺を作り、HPで公開
・特産品などをモチーフにニラ・組木など7種
・誰でもプリントアウトできる
◇デジタル化
「プレーリーカード」
・スマートフォンのタッチ決済の機能を利用したデジタル名刺
・カードにスマホをかざすとプロフィールなどが表示される
「MiTEKiiTE(ミテキイテ)」
・スマホをかざすとリンク先を共有できる(プロフィール・音楽・動画など)
・キーホルダー型なため、写真を入れることで推し活として楽しむこともできる