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【高校野球】室蘭栄が59年ぶりの南北海道大会出場に王手…エース右腕・今谷豪が6回0封&2安打3打点

スポーツ報知 2024年6月27日 8時58分

◆第106回全国高校野球選手権南北海道大会室蘭地区予選 ▽Bブロック2回戦 室蘭栄8―0伊達開来=7回コールド=(26日・とましん)

 7地区で19試合が行われた。室蘭地区では室蘭栄が8―0の7回コールドで伊達開来に勝利し、59年ぶりの南北海道大会出場に王手をかけた。エース右腕・今谷豪(3年)が6回0封、2安打3打点と投打でけん引した。 

 “大人”になった室蘭栄のエースが投打で躍動した。6回を5安打無四球無失点に抑えて試合をつくると、バットでは2回2死満塁から左中間に走者一掃の3点適時三塁打を放つなど2安打3打点。昨夏からエースナンバーを背負う経験豊富な今谷が、代表決定戦に導いた。

 1年秋から公式戦全試合で先発マウンドに上がってきた右腕。この日も冷静なマウンドさばきを披露した。西崎和仁監督(52)が「あまり力を入れず、野手に守備機会を与えようという組み立てだった」と言うように、直球の球速は120キロ台前半。直球とスライダーのみで凡打の山を築き、「変化球でストライクをとれたのがよかった」と75球で6回を投げきった。

 昨夏は、地区2回戦の道大谷室蘭戦で9回をノーヒットに抑えるも、味方の失策と犠飛で失点し“ノーヒットワンラン”(0●1)で敗戦。当時の悔しい思いを忘れることなく、1年間で精神力を鍛えてきた。昨年までは味方がミスをすると顔や態度に気持ちを出してしまうことが多かったが、最高学年となった今は「楽しんでやることを心掛けている」。ピンチの場面でも淡々と右腕を振る姿に、指揮官も「我慢強くなった」と目を細める。

 公立の進学校ながら、春には強豪私学・北海道栄を撃破し、地区突破に向けて着々と歩みを進めてきたナイン。1965年を最後に遠ざかっている南大会出場に向け、苫小牧工が待ち受ける最後の関門に挑む。OBの西崎監督は「そろそろ行きたいけど、そう簡単ではない。でも本当にチャンスはある」。今谷も「悔いが残らないように楽しみたい。先生方を南北海道大会に連れていく」と腕をまくった。代表決定戦が行われる29日は、悔し涙を流した昨夏からちょうど1年。“運命”の「6・29」に、半世紀以上閉ざされてきた扉をこじ開けてみせる。

(島山 知房)

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