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【明日の金ロー】武俠映画には”お約束”の場所での戦闘シーンも登場する「キングダム」

スポーツ報知 2024年6月27日 21時0分

 7月12日にシリーズ最新作「キングダム 大将軍の帰還」が公開するのに合わせ、金曜ロードショー(後9時)は、3週連続で過去の同シリーズを放送。5日は記念すべきシリーズ第1作「キングダム」(2019年)が、枠を15分拡大して登場する。

 本作と来週の第2弾「―2 遥かなる大地へ」(22年)は、佐藤信介監督が自ら監修し、シリーズの編集を手掛けた今井剛氏が未公開シーンや「―大将軍の帰還」の本編を追加して再編集した「スペシャルエディション」として放送。これまでに本作を見たことのある人も「どこが違うんだろう?」と新鮮な気持ちで見ることができるのではないだろうか。

 物語の舞台は紀元前3世紀の中国・春秋戦国時代。奴隷として生活しながら天下の大将軍を目指している信(山﨑賢人)は、同じく奴隷で共に暮らす漂(吉沢亮)と共に、仕事の合間を縫って剣の腕を磨いていた。そんなある日、漂が王宮に仕官することに。置いてけぼりをくらった信だが、心が折れることなく鍛錬を積み重ねていると、漂が虫の息で信の元に帰って来た。

 命と引き換えに預かった地図に書かれた場所にいたのは、漂とうり二つのエイ政(吉沢=二役)だった。無二の親友だった漂が秦の王であるエイ政の身代わりに利用されたことを知った信は激怒。だが、弟に奪われた王宮奪還を目指すエイ政に諭されて翻意し、手を貸すことを決める…。

 見どころは何と言っても豪快なアクションシーン。様々な場面で山﨑の剣さばきが披露されるが、その中でも序盤の戦いに注目してみたいと思う。エイ政、河了貂(橋本環奈)と旅をすることになった信は、仲間との合流地点に向かう途中の竹林で橋本じゅん演じる刺客・ムタと対面するのだが、この竹林というのがミソといえる。

 武俠(中国で武術と義理人情を重んじる英雄たち)モノの作品では、竹林での戦いというのは”お約束”とされている。古くは、台湾の巨匠キン・フー監督がメガホンを執った武俠アクションの傑作といわれる「俠女」(1971年)。米アカデミー賞で外国語映画賞など4部門を獲得した「グリーン・デスティニー」(00年)でも、目を奪われるような美しさの竹林での戦いが繰り広げられた。金城武とチャン・ツィイーの共演で話題となった「LOVERS」(04年)もしかりだ。

 本作は純粋な「武俠映画」とは言えないかもしれないが、中国を舞台に英雄たちが活躍する物語という意味では、そのエッセンスを含む。だからこそ、主人公と”ザコキャラ”との戦いではあるものの、竹林での一戦が取り入れられたのではないかと思う。

 ちなみに、撮影が行われたのは宇都宮市にある「若竹の杜 若山農場」。24ヘクタールの土地に見渡す限りの竹林が広がっている。誰でも訪れることが出来、週末の夜にはライトアップもされている観光地。興味のある人は、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。(高柳 哲人)

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