巨人の坂本勇人内野手(35)が27日、打撃不振からの再起を誓った。この日、故障と体調不良を除けば、ルーキーだった2007年以来17年ぶりに2軍に合流。打率2割3分4厘、4本塁打、18打点と本来とはほど遠い姿に「何も正解が見つかっていない。監督の期待に応えられていないのが一番悔しい」と悩める心境を吐露。現役最多の通算2375安打を誇る背番号6は「もう一回、ちゃんと見つめ直す」「やれることは全部やる」と苦境脱出へ決意を語った。
坂本が初夏のG球場で再スタートを切った。ファーム合流初日は午前9時過ぎにグラウンド入り。アップ、ランニング、キャッチボールを終えると室内練習場へ移り、約40分のティー打撃に汗を流した。練習後に10人程度集まった報道陣の前で、約6分半の間、現在の胸の内を明らかにした。
「(阿部監督は)リフレッシュしてくれと言ってくれてますけど、自分的にはリフレッシュっていうよりもう1回、ちゃんと見つめ直して。正直、何をどうしていいかは、何も正解が見つかっていない。難しいところですけど、今までやってきた中で経験は人よりあると思う。何をしたらいいかなと思いながらトレーニングコーチとかと話して、やらないといけない」
今季は61試合で打率2割3分4厘、4本塁打、18打点。本来の姿でないからこそ、もがき苦しむ胸中を明かした。
「バットのキレ、体のキレがないのは感じていますけど、じゃあ何をしたらよくなるのか。走る量を増やすとか、メカニック的な部分がどこかずれてるから、バットが走らないとか。1日の中の時間をうまく使いながら、やれることは全部、やりたいと思っています」
現役最多通算2375安打を誇る男でも「正解が見つかっていない」という現状。目先の結果にとらわれず復活への道を歩む。
「『去年はこんな感じで打ててたから』と戻そうとしても戻せるものでもない。今の僕に何が大事なのかをつかめないまま、シーズンをやっちゃっていた。それをこの(再調整)期間でめるのかっていうと、そんな簡単なものじゃないと思う。でも体(の状態を上げること)だったり、なかなか試合(が続く期間)ではできない部分は、この時間で取り組めると思う」
ティー打撃では正面のトスを打ち返すなど、早くも新しい取り組みを始めた。
「中学生の時からやってるような練習法だったりね。本当にいろんなことやりながら。何かを思い出しながらやれたらいいかな」
最短で7月6日のヤクルト戦(神宮)から再登録が可能になる。ただ、目指すのは“本当の姿”となって1軍に戻ることだ。
「そこは一番近い目標。早く戻りたいのはもちろんですし(最短抹消期間の)10日間で戻りたい気持ちもありますけど…難しいですね。10日空けただけでいいのか、何かをつかんで戻るのか。そこもちょっと任されている部分でもあるので」
阿部監督は「(抹消は)別にネガティブじゃない。8、9月にね(坂本が)いなきゃ終わるんで」と変わらぬ信頼を寄せる。現役時代から苦楽をともにしてきた指揮官の思いに応えたい。
「やっぱり結果を求められる選手ですし、監督の結果に応えられていないのが一番悔しい。気持ちと結果が釣り合ってこない苦しさはもちろんあります。でもそれは誰でも感じるものだと思うので、何とかします」
苦境であっても、坂本は自分から目を背けない。それこそ中心選手としての責任。必ず巻き返す。(内田 拓希)
◆坂本のファーム合流初日◆
▽9:05 G球場のグラウンド入り
▽9:10 アップ開始
▽9:30 ポール間走などフェンス際をランニング
▽9:45 キャッチボール
▽10:00 室内練習場へ移動しティー打撃
▽10:45 取材対応
▽11:00 トレーニングルームへ
【今季の坂本】
▼打順 開幕から主に5番を務め、4月下旬からは2、3番も経験。交流戦終盤に初めて7番降格した。
▼体調 交流戦中に腰の張りで欠場。コンディション調整も試行錯誤。
▼守備位置 昨年遊撃から転向した三塁に開幕から定着。体調面も考慮して交流戦では6年ぶりにDHでのスタメン出場もあった。