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「パワーでグイグイ押してくる」パリ五輪で最も警戒すべき相手は石川祐希&高橋藍も研究している…植田辰哉氏展望

スポーツ報知 2024年6月28日 5時5分

 パリ五輪のバレーボール男子1次リーグ(L)組み合わせ抽選が27日、ポーランドのウッチで行われ、世界ランキング2位の日本は、同5位の米国、8位のアルゼンチン、11位のドイツとC組に入った。イタリアなどと同居する最悪の“死の組”は回避したが、五輪3度金の米国を筆頭に、力の差がない組に入った。92年バルセロナ五輪日本代表で08年北京五輪日本代表男子監督の植田辰哉氏は「厳しい組に入った。特にドイツには注意しなければならない」と指摘した。

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 厳しい組に入った印象がある。エジプトと同組だと、1次リーグも戦いやすかったと思う。米国とドイツは昨年の五輪予選で出場権を獲得しており、NLではフルメンバーではなかった。

 一番注意しなければならないのは、ドイツだ。パワーバレーでグイグイ押してくる。NL1次リーグではフルセットの末、日本が勝利したが、39歳の大ベテランエース、グロゼルと守備の要、ツェンガーは出場しなかった。相当隠してきているなと感じた。そのメンバーでも強烈なサービスエースで10点も奪われた。セリエAでプレーする選手も多く、石川、高橋藍の特徴も知り尽くしているだろうし、研究されているはずだ。

 NL1次リーグで、日本がストレート勝ちした米国だが、両チームとも控え中心で対戦しており、全く参考にはならない。米国は基本的にデータを重視したバレーを展開してくる。サーブでターゲットを決め、狙ってくる。サーブで守りを崩し、対応力の素晴らしいミドルブロッカー陣がブロックで仕留める。セッターも安定感があり、ベテランぞろいの中でもエース、アンダーソンの決定力は衰えていない。メダルを取る力は十分にあるチームだ。米国伝統の、最後まで勝負を諦めないファイティングスピリットを忘れてはならない。

 アルゼンチンは日本と体格差もなく、スタイルも似ている。ベテランと若手のセッター2人とも、巧みなトスワークを展開する。コンビバレーで、サーブレシーブから1度で攻撃を決めるバレーを得意とする。老練なアタッカー、コンテは要注意だ。南米ではブラジルの陰に隠れてきたが、東京五輪で銅メダルを手にするなど躍進しており、警戒が必要だ。(08年北京五輪男子代表監督・植田 辰哉)

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