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【高校野球】部員5人の金ケ崎に花巻東から助っ人5人…単独廃校ルールで出場・1回戦は遠野緑峰…岩手大会組み合わせ抽選会

スポーツ報知 2024年6月28日 7時6分

 全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の岩手(7月10日から)の組み合わせ抽選が27日、行われた。岩手は部員5人の金ケ崎が、他校から部員を借りる「単独廃校ルール」で出場。花巻東の部員5人の力を借りて、遠野緑峰との1回戦(14日、きたぎん)に挑む。

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 金ケ崎の三浦拓己主将(3年)は出場55チームの内、一番最後にくじを引いた。「なるようになるだろうなと思って見守っていました」。落ち着いた表情で「19」の数字を読み上げると「とにかく勝利を目指して頑張りたい」と気を引き締めた。

 部員は3年生2人、2年生1人、1年生2人とわずか5人。秋までは連合チームを組んでいたが、相手校の部員が増えて単独出場が可能に。同連合は解消となり、春は卓球部、バスケ部、吹奏楽部と野球初心者の力を借りて何とか出場した。夏に向けて再び連合相手を探したが、見つからなかった。

 困った千葉和馬監督(57)が「不参加は避けたい」と岩手県高野連に相談。計10人となるまで他校から派遣を受けることができる「単独廃校ルール」を、同県の夏では初めて適用することが決まった。同高野連が仲介し複数の高校に打診すると、強豪・花巻東から「助けられるならば協力する」と返事をもらった。

 花巻東からは5人(2年生3人、1年生2人)が参加する。三浦主将は「制度のことも知らなかったので驚いたし、まずは感謝の気持ちでいっぱいです」。主に週末の練習試合などで、連係を確認する。練習回数は少ないが「野球を一緒にやると、自然と仲良くなりました」。すでに“仲間”としてまとまり始めており「皆すごく上手で、野球に対する考え方や勝ちへの意識など変わってきた」と刺激を受けてきた。

 夏の単独校名での出場は21年以来。三浦主将は「まず初戦突破が目標。応援してくれる方に感謝の気持ちを見せて、悔いのない戦いをしたい」と、18年の初戦(2回戦)以来となる「金ケ崎」での白星を目指す。

(秋元 萌佳)

 〇…選手宣誓は盛岡南の下田大地主将(3年)に決まった。来年度からは不来方との統合が決まっており、秋も連合チームでの出場が濃厚。盛岡南として“最後の大会”での大役へ「ずっとやりたいと思っていたのでうれしいけれど、一気に緊張感が出てきた」と苦笑い。「今までの先輩方への感謝や、不来方の思いも背負って新しい歴史をつくる決意を語りたい」と意気込んでいた。

 花巻東・村上太一主将(3年)。(夏連覇に向け)「春の東北大会で優勝してから、もう一度チームを引き締めてきた。最後の夏に向けて、全員で足並みをそろえて戦っていきたい」

 ◆単独廃校ルールとは 2000年に日本高野連が取り入れた。部員不足の高校が、近隣の高校から部員を借りて大会への出場を認める特別措置。複数校から借りることはできない。適当な相手が見つからずに連合チームが組めない高校も、このルールの適用が可能。元の高校の部員数は5人以上必要で、合計10人になるまで借りられる。一つの大会では登録されたチームでのみ出場できる。

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