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【高校野球】静岡商 低反発バットは追い風 機動力で18年ぶり甲子園だ…全国高校野球選手権静岡大会・話題校紹介

スポーツ報知 2024年6月28日 7時40分

 名門の静岡商が、今季から採用された新基準バットを味方につける。母校を率いる曲田雄三監督(40)は「うちにとっては、ウェルカム。全体的に1試合の平均得点が下がる分、接戦に持ち込めるチャンスは出てくる」と、うなずいた。チームの持ち味は伝統の堅実な守備と機動力。低反発バットで長打が減ることは、プラス材料と考えている。

 周囲の高校と同じように、昨秋の公式戦が終わってから低反発バットを導入した。指揮官は「確かに、飛ばなくなった。今まで芯を外れても力でヒットになっていた打球が、ヒットにならない。球足も遅くなっている」と実感を込めて話した。オフは新たなバットに慣れるために、打撃練習を増やした。攻撃力低下を予想して失点しないことをテーマに、投手力の強化と内外野の守備を鍛え上げた。

 “スモールベースボール”の中心的存在になるのが「2番・二塁」の栗田輝空(3年)だ。ただ打って点を取ることは難しいだけに、バントやバスター、エンドラン、進塁打などの小技が武器の背番号4は、チームになくてはならない存在だ。

 曲田監督から「守備はいいし、攻撃は、なんでもできる」と、信頼される最高の“つなぎ役”。栗田は「自分たちの土俵に持ち込みやすくなると思う」と、接戦に勝機を見いだす。相手の隙をつく走塁にも期待が懸かる。父は同校野球部OBで、「3年夏は4回戦で負けたようなので、自分は甲子園に行きたい」と、父超えを目標に掲げた。

 新規格バット導入で高校野球の変革が叫ばれる今年の夏。シードの静商は2回戦からの出場で、初戦は静岡東―伊豆総合の勝者と対戦する。1952年にセンバツ優勝を果たすなど過去甲子園通算23勝(14敗)を挙げている名門が、伝統の機動力野球で2006年以来、18年ぶりの県頂点を狙う。

(塩沢 武士)

 〇…「1番・中堅」の斉藤修生主将(3年)にとって、“因縁の対決”が実現しそうだ。御殿場西の監督経験があり、今では同校の教頭を務める父・光高さんと、お互いが勝ち上がれば3回戦で対戦する組み合わせとなった。父は長泉(現三島長陵)出身で、高3だった1989年の県決勝で日大三島に敗れ、あと一歩で甲子園を逃している。「優勝が目標。自分の打撃をして塁に出る」。切り込み隊長としてチームに貢献することを誓った。

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