俳優の渥美清さん（１９９６年死去、享年６８）が主演した映画「男はつらいよ」シリーズ第１作（６９年）の公開５５周年を記念した「男はつらいよ お帰り 寅さん」シネマ・コンサートが２９日、東京国際フォーラムで行われ、山田洋次監督、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆の寅さんファミリーが５年ぶりに集結した。
２０１９年にシリーズ５０作目として公開した「―お帰り 寅さん」の上映とオーケストラの生演奏を融合。この日、８３歳の誕生日を迎えた倍賞は上映前のトークショーで山田監督から花束を贈られ、笑顔でハグを交わした。渥美さんについて倍賞は「思い出がたくさん、ありすぎる」。前田は「渥美さんと言えば、寅さんとしか思えない」と語った。
映画には、前田演じる博が倍賞演じるさくらに愛の告白をする第１作の名シーンも。山田監督が「いい芝居だったな」と振り返ると、倍賞は「ドキドキしました」と回想し、前田は「克明に覚えていますよ」と照れ笑いを浮かべた。
また、２６日に右大脳出血のため死去した声優の松野太紀さん（享年５６）も映画に出演しており、この日のトークショーの司会も務める予定だった。山田監督は「彼もこの回に参加できず、残念だと思う」と追悼した。