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995日ぶりに本拠地白星のヤクルト・奥川恭伸、右肘リハビリ中につけたエースナンバー「守っていきたい」 

スポーツ報知 2024年6月30日 5時0分

◆JERA セ・リーグ ヤクルト6ー1阪神(30日・神宮)

 耐えた。5回2死一、三塁。ヤクルト・奥川恭伸投手(23)はスライダーで森下を二ゴロに打ち取ると、右拳を何度も握った。「ずっとピンチ続きだったのでひとまずほっとはしました」。苦境を脱した右腕にスタンドからは万雷の拍手が注がれた。

 5回2安打1失点の力投で2021年10月8日阪神戦以来、995日ぶりに本拠地でつかんだ白星となった。「満員の神宮球場、僕は初めての経験だったので、本当にたくさん力をもらいました」とファンへ感謝。980日ぶりの勝利を挙げ、号泣した14日のオリックス戦から一転して終始笑顔のお立ち台となった。

 右肘痛を発症し、長いリハビリの始まりとなった22年3月29日の巨人戦以来となる神宮のマウンド。最速は149キロ止まりで自己ワーストの4四死球が示すように状態は良くなかったが、フォークを多投してしのいだ。「内容だけ見たらひどい試合でしたけど、それでも粘って、粘って、1点に抑えたのは一つの大きなこと」。反省と収穫の両方が詰まった87球。823日前の“悪夢”を自らの手で払拭(ふっしょく)し、自身の本拠連勝を6に伸ばした。

 22年11月に入団からつけていた背番号が「11」から「18」に変更された。「心機一転の意味も込めて」。球団期待の表れだったが、右肘の故障でリハビリ中の右腕に対しては異例の計らいだった。近年はエースナンバーを与えられた投手が活躍できない“ジンクス”があるが「(18番を)守っていきたいというのはもちろんありますね」との思いを胸に秘める。

 チームの連敗を4で止め、5位タイ。「まだまだ優勝のチャンスはありますし、選手は誰も諦めてないので、これから一つずつ勝って、また優勝できるように、一丸となって頑張りたい」。奥川の言葉には、頼もしさがにじんだ。(長井 毅)

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