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巨人・岡本和真がバースデーV打 二岡ヘッドとの“秘密特訓”実る

スポーツ報知 2024年7月1日 5時0分

◆JERA セ・リーグ 巨人3ー2広島(30日・東京ドーム)

巨人が岡本和真内野手(28)のバースデーV打で首位・広島に勝ち越した。阿部慎之助監督(45)から打順変更も示唆されていたが、引き続き4番で出場。初回、先制打で意地を見せると「6番・左翼」で移籍後初スタメンの若林楽人外野手(26)が初安打となる適時打で続き、3点を先行した。1点差の9回は右肩違和感から復帰した大勢投手(25)が無失点でしのぎ、チームは3位に浮上。2日から中日2連戦(松本、前橋)に臨む。

 これぞ4番の仕事だ。岡本和のバットから祝音が鳴り響き、白球が中前で弾む。割れんばかりの歓声が降り注ぐ中、表情を崩すことなくベンチへ向かってぺこりと頭を下げた。「先制点となるランナーをかえせて良かったです」。この適時打が決勝点。集中力を詰め込んだ意地の一振りで勝利を呼び込んだ。

 両チーム無得点の初回2死三塁。28歳の誕生日を迎えた主砲にバースデーソングが演奏される中、打席に立った。三塁走者の丸に直撃するファウルを放ってから2球後の8球目。フルカウントから玉村の外角132キロチェンジアップを中前へ運んだ。自らの誕生日を彩り、「ほんまはいつも、流れている時は初球打ったろうと思ったんですけど、今日は入る前に流れて。1球目打つ時には終わってたのでやられました」と冗談めかして笑い「ありがとうございます」と感謝した。

 期するものがあった。前日29日の同戦では2度好機で凡退。「僕が打っていれば点がもっと入っている」と責任を痛感していた。得点圏で3試合、6打席連続無安打と、走者を置いた打席で結果が出せず苦悩した。同戦の試合後に阿部監督は、今季全試合で4番を務めていた主将について「あそこ(岡本和)で切れてしまうことが多々あるので。ちょっと考えようかな」と打順変更を示唆していた。

 それでも変わることなく定位置の4番で起用された。「考えて、1杯飲んで寝たんだけど、翌朝やっぱり4番だなと思って(笑い)」と指揮官。19年や22年には不調時に4番から外れることがあったが、今回は違った。苦しんでも逃げる場所はない。打つしかなかった。

 復調を求めて試合前練習では通常グラウンドで行うティー打撃を二岡ヘッドとともに室内で実施した。体からバットが離れてスイング軌道が遠回りしてしまう悪癖を“秘密特訓”で修正。打順変更の可能性を示唆していた指揮官のコメントについても「別に何も思わなかった」と不動の心で臨み、4番の役割を果たした。新聞を読んで岡本和が刺激を受けたのでは、と聞かれた阿部監督は「あれくらいじゃ刺激にならないでしょ」と笑い飛ばしつつ、上機嫌だった。

 主砲の一打に導かれ勝利。首位・広島に勝ち越して、3・5差。3位に浮上した。指揮官は「振り回さなくてもコンタクトすれば、すごい打球がいく。何かつかんでくれたら」と岡本和のさらなる上昇を願った。「7月また頑張っていきたい」と背番号25。逆襲の中心となって、チームを押し上げていく。(宮内 孝太)

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