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沖縄アクターズスクール創設者のマキノ正幸さんが死去 83歳 安室奈美恵さんら輩出

スポーツ報知 2024年7月1日 13時57分

 安室奈美恵さんや「MAX」「DA PUMP」「SPEED」らを輩出した沖縄のタレント養成学校「沖縄アクターズスクール」の創設者・マキノ正幸(まきの・まさゆき=本名・牧野正幸)さんが6月28日、敗血症性ショックのため死去した。83歳だった。同社が公式サイトで発表した。

 1990年代から2000年代にかけての音楽シーンで、ダンスミュージックブームをリードするスターを生み出した伝説のヒットメーカーが天国に旅立った。マキノさんは3年ほど前から体調を崩し療養していた。

 京都府出身。「日本映画の父」と呼ばれるマキノ省三さんを祖父に持ち、父で映画監督のマキノ雅弘さん、母で女優の轟夕起子さんの長男として生まれた。幼少期から芸能文化に親しみ、いとこの長門裕之さんが主宰する芸能事務所「人間プロダクション」の専務などを経て沖縄に移住。83年に「沖縄アクターズスクール」を設立した。

 「アクターズ・メソッド」と呼ばれる教育方針は本格的な指導で知られ、生徒は圧倒的なダンス力、ボーカル力を習得した。とりわけ、スクールの見学に訪れた10歳の安室さんの才能を見抜き、徹底した指導で押しも押されもせぬトップアーティストに育成。安室さんの活躍から、アクターズスクールの知名度も全国的に広がった。ライジングプロダクションとの協力関係も後押しし、90年代後半はMAX、DA PUMP、知念里奈、三浦大知、満島ひかりら逸材が次々にデビュー。のちにモデル、女優業で頭角を現す山田優、黒木メイサらも輩出した。

 一時は全国オーディションを行い、大阪にも姉妹校を作るなど旋風を巻き起こしたアクターズスクールだったが、2000年代に入り、マキノさんがフリースクールの経営に注力したことなどで、タレント育成からは次第に距離を置くように。同校のチーフインストラクターを務めていた娘で振付師の牧野アンナさんが02年にスクールを離れてからは、学校の経営の方向性を巡り迷走することもあった。

 アクターズ再起のきっかけとなったのは、長らく絶縁関係だった父娘関係の修復。21年に和解し、アンナさんの呼びかけで翌年10月に「沖縄アクターズスクール大復活祭」を開催したところ多くの卒業生が集結。再始動の機運が高まり、マキノさんの息子の牧野彰宏社長、アンナさんによる新法人で23年に再スタートを切った。現在も有望なタレントが同スクールでレッスンを重ねており、沖縄の芸能界の礎となっている。

 ◆マキノ 正幸(まきの・まさゆき)1941年2月7日、京都府生まれ。青山学院大学経済学部卒。芸能プロダクション、ジャズクラブ、スキー場経営などを経て沖縄に移住。83年に「沖縄アクターズスクール」を設立。

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