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V5で永世称号獲得の藤井聡太棋聖「今後もなんとか長期間にわたって活躍していけるように」

スポーツ報知 2024年7月1日 21時57分

 将棋の藤井聡太棋聖=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将=が1日、愛知県名古屋市で指された第95期棋聖戦五番勝負第3局で、挑戦者・山崎隆之八段を後手番の100手で破り、無傷3連勝でV5を達成。21歳11か月での永世称号獲得は1971年に中原誠十六世名人が達成した最年少記録(永世棋聖=23歳11か月)を53年ぶりに塗り替えた。以下は防衛会見のやり取り。

 ―地元・愛知での棋聖5連覇だ。

 「名古屋での対局ということで、やっぱり地元の方にも見ていただける機会になるので、いい将棋を指したいという気持ちは前から強く持っていました。その場所で結果を出すことができたのは、すごくうれしく思っています」

 ―色紙に「永世棋聖」と揮ごうした。

 「すぐに名乗るものではないので、あまり実感はないんですけど。これまで、その時代を築いたような方が取られるイメージがありましたので、うれしく思うとともに、今後もなんとか長期間にわたって活躍していけるように取り組んでいかなくてはいけないなという気持ちも同時に持っています」

 ―6月に八冠の叡王を失ってから初めてのタイトル防衛。

 「基本的には一局一局をそれぞれ頑張っていきたいと考えていますし、本局も、そう思って臨んではいました。集中して指すことができたかな」

 ―「もう5年(=5年目)経ったのかという気持ちが強い」と話していたが。初めて棋聖を取ってからの4年間を振り返ると?

 「タイトル戦に出るようになってから、こういった舞台で指すことの喜びと重みを感じることがたくさんありましたし、盤上と盤外、どちらにおいてもいろいろ経験をすることができた4年間だったのかな」

 ―地元・瀬戸市民の皆様に一言を。

 「本当にいつも応援していただいて、ありがとうございます。(6、7日に)王位戦が名古屋でありますし、引き続き、皆様に楽しんでいただけるような将棋が指せるように、頑張っていきたいと思います」

 ―王位戦も永世の称号がかかる。

 「そうですね。力を尽くしたい。永世は長期的なことになるので、普段から意識するということはないかなとは思っていますけど、一つ一つ積み上げていた先にそういったものが見えてくればいいかなと。そうなるように、しっかり取り組んでいきたい」

 ―これまでのレジェンド棋士たちが永世称号を獲得したが、藤井さんのイメージはどなたか。

 「やはり羽生善治九段が7つのタイトルで永世称号を獲得されていますので、そのイメージが自分にとっても一番強いかなと思います。長期的な活躍が問われるものでもあると思うので、今回それを一つ達成できたことをうれしく思っていますし、引き続き長い目で見た時に、実力を高めて、活躍していけるように今後も取り組んでいきたい」

 ―「永世称号はすぐに名乗るものではない」と。原則としては引退後ですが、引退前に名乗られた方も大勢いるが。

 「それはまったく考えてはいないですけど、多分、現役で名乗られた方の多くは還暦を超えてからというケースがほとんどかと思いますので。私もまずは…そこまでいけるかわからないですけど、長期にわたって活躍できるように頑張っていきたい」

 ―前夜祭で元横綱の武蔵川親方が来られた。藤井さんは相撲でいえば、どんな取り口で将棋を指してきたのか

 「(笑って)組んでも組まなくても強い、というのが一番いいかな。どんな形でも対応していける力を付けるのが大きな目標。先手・後手に関係なく、いろいろな展開に対応する力が一番大事」

 ―もしも、初めて棋聖を獲得した4年前に戻って話せるとしたら、17歳の自分にどんなアドバイスを送るか。

 「(笑って)えっと…そうですね、当時もいろいろ考えながら取り組んでいたので、あまりアドバイスというのも特にないかなと思いますし、声をかけることによって、未来が変わってしまうかもしれないので、特に声はかけなくていいかな(苦笑)」

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