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静学出身のJ1柏DF関根大輝がパリ五輪代表入り「メダル獲得が目標」…小学生時代の恩師「持ち味の攻撃力生かして」

スポーツ報知 2024年7月4日 10時17分

 日本サッカー協会は3日、都内でパリ五輪に臨むU―23日本代表を発表した。県関連では静岡市出身で静岡学園高卒のJ1柏DF関根大輝(21)がメンバー入り。柏市内で取材対応し「メダル獲得が目標」と話した。また小学校時代に所属した東源台FCの当時監督・渡辺力也さん(53)が教え子にエールを送った。J1磐田のDF鈴木海音(21)はバックアップメンバーに選ばれ、チームには帯同しない。

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 静学出身の期待の星がパリでひときわ輝く。関根はクラブハウスのロッカーでチームメートと共に会見の中継を確認。スマホを眼前に置き、正座して吉報を待った。3番目に大岩剛監督(52)から名前を呼ばれ「めっちゃ喜びました」。報道陣から目標を問われると「メダル獲得。自分の持っている力を全部出さないと達成できない」と大胆に宣言した。

 静学では2年時に選手権制覇。自身は全国大会1試合の出場にとどまったが、新チームからは主将の重責を託された。3年時の選手権は県4強に終わるも、進学先の拓大で一気に才能が開花。3年時、早くも2年後の柏内定を勝ち取った。さらに今季、予定より1年前倒しでプロ入りを果たした。開幕スタメンを射止め、右サイドバックとしてここまで17試合に出場している。「1年早めてもらったことが、ここ(五輪)につながった。うまく行きすぎていると思います」と白い歯を見せた。

 推進力やクロスなど攻撃力が持ち味。今春のアジア杯では5試合に出場して優勝に貢献した。以後、代表を意識するあまり調子を落としていたが、柏・井原正巳監督(56)ら周囲から「まずはレイソルのためにやることが代表につながる」と諭され、肩の力が抜けた。

 静岡学園出身者の五輪代表入りはリオ五輪のMF大島、東京五輪のDF旗手に続き3大会連続となる。「ここから、自分のいいプレーを出していかないと選ばれた意味がない。責任を持ってプレーしていきたい」。先輩たちがつかめなかったメダル奪取へ、関根が導いていく。

 ◆関根 大輝(せきね・ひろき)2002年8月11日、静岡市生まれ。21歳。東源台FC、静岡学園中を経て静岡学園高に進学。同高では2年時に全国選手権で優勝。卒業後は拓大に進学。23年から柏で特別指定選手。当初、25年の入団が内定していたが、予定を1年早めて今季から正式入団。187センチ、82キロ。利き足は右。

 関根の五輪代表入りを、小学生時代に東源台FCで6年間指導した渡辺力也さん(現Fine静岡監督)も喜んだ。「持ち味の攻撃力を生かしてゴールを決めてくれれば」と期待する。

 渡辺さんは静岡学園高サッカー部OB。当時の井田勝通監督から個人技の大切さを教わり、それを東源台FCで子どもたちに伝えていた。戦術よりもテクニックを重視。「だから試合ではなかなか勝てなかった」と苦笑する。それでも、体も大きかった関根は得点力が飛び抜けていた。「点取り屋のセンターフォワードでした」

 同期には渡辺さんの次男の怜歩(れある)=鹿屋体大主将、J2熊本内定=や双子で長女の琉那(聖和学園―ニッパツ横浜FC―アルゼンチン・フェロ)、早大で10番を着ける築地育らがいた。そんな実力派のメンバーと毎日、切磋琢磨(せっさたくま)して技術を磨いた。

 将来の夢を全員に書かせたことがある。関根は「静岡学園で選手権優勝、プロになってリバプールで活躍」と書き込んだ。静学中でDFに転向し全国に出場。高校での目標も達成し、着実に前に進んでいる。パリの晴れ舞台で攻撃センスを爆発させることを、恩師は待っている。(里見 祐司)

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