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カブス今永昇太、試投したカットボールを痛打…長いシーズン見据えた決断理由明かす

スポーツ報知 2024年7月4日 13時59分

◆米大リーグ カブス3―5フィリーズ(3日 米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド)

 カブスの今永昇太投手が6回を投げて2本塁打を含む6安打3失点。今季10度目のクオリティースタートを達成した。6回を投げて2―3で降板後、味方が7回に同点に追いつき、勝敗はつかなかった。試合は3―5で敗れた。

 ナ・リーグ東地区1位の強豪フィリーズを相手に全力で腕を振り、相手先発のウィーラーと互角に渡り合った。「よく3点で収まった。6、7点取られてもおかしくない展開だった」と今季10度目のクオリティースタートでも自己採点は厳しかったが、要所で13個の空振りを奪うなど、8奪三振。ボール自体は切れていた。

 新しい試みがあった。3回1死からマルシャンに許した左中間への同点ソロ、そして6回ボームに浴びた中越え逆転2ラン。マルシャンには甘く入った91マイルのカットボール。ボームへの89マイルの直球は「カット気味に投げた」ものだった。過去15試合で計1294球を投げたが、カットボールは9球だけ。いずれも右打者に対し、これまで0・7%の使用率に過ぎない球種を、登板間に磨いて挑んだマウンドだった。全てボールゾーンに投げるという決め事だったが、甘く入って痛打された。だが、諦めることなく、その後も2球投げた。それが、この日のチャレンジでもあった。

 ケガ予防対策がその背景にある。「直球をずっと投げ続けることは結構しんどい。肩やひじに負担が掛かる。真っすぐを内角のボールゾーンに投げることに、キツさを感じていた。その辺の調整をしたいんですよね。目指すのは、いわゆるマッスラです」

 178センチとそれほど長身でない今永が、メジャーの硬いマウンドで、高めへの直球を使用率55%の頻度で投げ続けば、肩やひじにの重い負荷がかかる。渡米1年目の前半戦折り返しが見えてきた段階で、夏場や、更にその先を見据えた持ち球の見直しが必要だった。

 「やっちゃいけないミスをすれば、こっちのバッターは本塁打にする。レベルが高いです」。手痛い代償となったが、めげてはいない。「ブルペンで良くても自己満足に過ぎない。これから、実戦を積んでいくボールです」と、前を向いた。

 16日の球宴(日本時間17日、テキサス州アーリントン)選出にも期待が膨らむ。投球回数はこの日で91イニングに伸び、規定投球回数に再到達。防御率3・16で再びリーグ10位に登場した。

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