◆JERA セ・リーグ ヤクルト3―10巨人(5日・神宮)
巨人のドラフト4位ルーキー・泉口友汰内野手が8回に鮮やかな右翼線二塁打を放った。だが、二塁ベースに達した泉口に笑顔はなかった。
直前の7回裏途中にエース戸郷を諦め、阿部監督が中川&ケラーを投入してヤクルトの反撃を1点に食い止めた。7ー3で迎えた8回の攻撃。先頭の岸田が右前安打で出塁した。4点のリードがあるとはいえ、巨人ベンチとしてはダメ押しの「あと1点」がほしい場面だった。
ここで打席に入った泉口。1球目は送りバントの構えからバットを引いて見送ってボール。2球目、バントを狙ったがまさかの空振りとなった。一塁走者の岸田が飛び出したまま戻れずアウトに。阿部監督もベンチでこわばった厳しい表情を見せた。
そんな嫌な流れの中、冒頭の二塁打を放った泉口は見事だが、さすがに笑顔はなかった。後続が倒れてこの回、結局無得点。「ここぞの場面でほしい1点を取りに行く」ことを重要視する今季の阿部巨人としては、手痛いミスだった。
この夜、2試合連続で遊撃のスタメンとして泉口が起用されたが、9回にはそのショートをポジションを争う門脇誠内野手が、途中出場からヒットを放った。誰が最終的に阿部巨人の不動のショートの座を手に入れるのか。このポジション争いからも、まだ目が離せない。