◆JERA セ・リーグ ヤクルト3―10巨人(5日・神宮)
岸田が素晴らしい仕事をしたね。初回の2点タイムリーも大きかったけど、やっぱり3回の犠牲フライ。直前に1点取り返された戸郷にはとても大きな援護になったはずよ。4点差なら満塁弾を浴びてもまだ同点。3点って、ワンチャンスで追いつかれる点差やから、精神的に全然違うんよね。これで、試合が荒れることなく落ち着いた。
自分がヘッドコーチ時代に大城卓と同じルーキーで入ってきてやっと今季、試合に多く使ってもらえるようになった。課題の打撃もバットを短く持ったり工夫して、結果が出るようになったよね。犠牲フライの打席も一番、フライを上げやすい外角寄り高めの球を逆らわずにセンター方向に返した最適解の打撃やった。最終回の一発は…お見事やけど、もう忘れた方がええかな(笑い)。
そして本業のリード。感心するのは主軸にも恐れず大胆に内角を突くことやね。村上やサンタナに、内角を見せて外のフォークやスライダーを生かそうとする意図が見えた。投手も投げやすいはずよ。調べてもらったら、岸田がマスクをかぶった時の防御率は2.28、小林が2.25で大城卓が3.09。現役時代、藤田(元司)監督によく「オレは勝てる捕手を使う」ってよく言われたけど、この数字もスタメン起用を後押ししているかもしれんね。これは、レギュラーを奪う大チャンスよ。(スポーツ報知評論家・村田 真一)