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「これまでないぐらい悔しかった」開幕2軍乗り越え中日の若きエースが99球完封で初の「マダックス」

スポーツ報知 2024年7月6日 7時30分

◆JERAセ・リーグ 中日2―0広島(5日・バンテリンドーム)

 98球―。ビジョンを横目に大きく息を吐いた中日・高橋宏斗は、次の1球に全ての力を注いだ。小園を二ゴロに打ち取ると、右拳を握りしめて、ほえた。最速156キロ、9回4安打の今季初完封でチームトップの5勝目。ギリギリの99球で100球未満の完封「マダックス」をプロ入り後初めて達成し、「球数を抑えながら、テンポよく投げられているのは成長している」と笑顔がはじけた。

 誰もが認める探究心が、好調の要因の一つだ。フォームが安定せず、開幕2軍。「これまでないぐらい悔しかった」。メジャーリーグのメンタルトレーニングについて記された本を自ら購入。大塚投手コーチに勧められた本の音読アプリ「Audible(オーディブル)」は「3分後には寝てた」と役立てることができなかったが、技術以外にも初めて真剣に向き合った。

 「出遅れた分を取り返したい。僕がカバーしてもらった分、自分がカバーするつもりでやってる」。防御率は驚異の0・64。人一倍の責任感を胸に、天井知らずの若き右腕がエース道を歩み始めた。(森下 知玲)

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