◆JERAセ・リーグ 阪神1―2DeNA=延長10回=(5日・甲子園)
DeNAは4番・牧の“献身的な一打”がチームを勝利に導いた。
延長10回無死一塁の5打席目。一走・オースティンの好走塁(記録は暴投)もあり、得点圏に走者が進むと2ボール2ストライクから進塁打を徹底した。右腕・石井の直球、スライダー、フォーク、どの球種に対しても、低めの厳しいコースですらも、バットを上から落とすようにスイング。最低でも三塁に進める打撃をやめなかった。結果的に10球目の直球を狙い通りの二ゴロで好機を広げ、続く佐野の打球は前進守備の二遊間を破る決勝打になった。
メジャーと違い、日本の野球はやはり、いかにつなぐか。牧はベストを尽くした。結果的に内野の間を抜けるケースはあったとしても、彼はそれ以上の打撃を考えてはいなかっただろう。後ろの打者を信頼した素晴らしい仕事だった。あの牧の打撃こそ、本当の技術を持っているプロだと私は思う。(藤川 球児)