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【高校野球】加藤学園の“両投げ二刀流”北條創太…三塁手では右投げ、マウンドでは左投げ…全国高校野球選手権静岡大会・話題校紹介

スポーツ報知 2024年7月6日 9時25分

 春の県大会で連覇した加藤学園には“両投げ二刀流”の北條創太三塁手(3年)がいる。初の夏頂点へ、異色の切り込み隊長がチームを引っ張る。静岡大会は6日、県内10球場で1回戦22試合が行われ、いよいよ熱戦がスタートする。

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 三塁手としては右投げで、ひとたびマウンドに上がれば左投げになる。北條は異色の“両投げ二刀流”だ。米山学監督(46)は「見たことがない」と目を丸くした。最近の公式戦では昨秋の地区大会に3番手で登板し、1回無失点で切り抜けた。春は練習試合で投げた。「登板するならゼロで抑える気持ちで投げる」。春の県王者の投手陣で、確かな存在感を見せている。

 小学生の時は右投げの投手としてプレーしていた。5年時に右肘付近の骨が少し欠けていることが判明。中学1年の12月に膝の軟骨の一部を移植するまで、利き手とは逆の左投げで中堅を守り、手術後は左腕として登板するようになった。

 再び右で投げ始めたのは肘の状態が万全になり、現在と同じ三塁につくようになった中学2年の10月からだった。ただ、投手としては左投げのままで「理由は自分でも分かってない。慣れですかね」と笑った。最速130キロの直球を主体にスライダー、カーブ、チェンジアップを巧みに織り交ぜる投球スタイルだ。

 加藤学園に入学後、1年秋から正三塁手として経験を積んできたが、マウンドに立つ機会もあった。現在の投手陣は、3年生で165センチのエース右腕・小沢亨彦、181センチ左腕の森虎大朗、2年生右腕の山田晃太郎の先発3本柱がそろう。中継ぎには、秋と春はベンチから外れていた鈴木日陽(3年)、そして左腕の坂本逞(たくま、3年)が加わった。盤石な布陣だが、米山監督は北條の起用について「なくはない。制球力もいいし、リズム良く投げられる良さもある」と明かした。

 まず、求められている役割はリードオフマン。昨夏は準々決勝で藤枝明誠に敗れた。「春の優勝から少し気の緩みがあり、それが負けに影響したと思う。今年は『春に勝ったから、なんだ』という挑戦者の気持ちです」。一切の油断もなく、14日に韮山―浜松北戦の勝者と初戦を迎える。「自分の魅力でもある打球を遠くに飛ばす力強いスイングでチームを勢いづかせたい」と、異色の選手はやる気に満ちあふれていた。(伊藤 明日香)

 ◆北條 創太(ほうじょう・そうた)2006年5月7日、清水区由比生まれ。18歳。小学3年で由比ソフトボール少年団に入団。硬式野球は由比中時代に蒲原リトルシニアで始めた。177センチ、83キロ。両投右打。

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