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岡本和真「かめはめ波弾」で3連勝!阿部監督伝授の必殺技で今季初めての初回弾

スポーツ報知 2024年7月7日 5時0分

◆JERA セ・リーグ ヤクルト1―4巨人(6日・神宮)

 巨人がヤクルトを下し、3連勝で2位に浮上した。主砲・岡本和真内野手(28)が、今季打率1割2分5厘と低調な初回では昨年8月以来の一発となる14号2ランを左中間へ放り込んだ。阿部慎之助監督(45)のアドバイスを生かした先制弾で打点を43とし、リーグトップに浮上。8回1失点のF・グリフィン投手(28)に3勝目をプレゼントした。雷雨のため1時間1分遅れで始まった一戦をものにし、6月8日以来の貯金3。首位・広島に1ゲーム差に迫った。

 雨上がりの神宮の夜空に“かめはめ波弾”を放った。岡本和がバットを両手で掲げながら見守った打球は、約5秒の長い滞空時間で左中間席に吸い込まれた。0―0の初回2死一塁。「反応で打てた。きょうのような試合は先制点が重要だと思っていた」と3球目の外角低めチェンジアップを手元に呼び込み、バットに乗せてすくい上げた。

 雷雨の影響で1時間1分遅れの試合開始。「やるだろうなと思って準備してました」と開催を信じて待っていたG党に、プレーボールからわずか8分で豪快な先制14号2ランを届けた。

 3日の中日戦(前橋)だった。3回の第2打席で外角の変化球を引っかけてベンチに戻ると、阿部監督から「かめはめ波ってどうやる?」と問いかけられた。人気漫画「ドラゴンボール」に登場する、体内のエネルギーを両手から放出する必殺技。つまり、打撃に必要な「タメをつくった方がいい」というメッセージがこもった助言だった。

 指揮官から“かめはめ波打法”のヒントをもらい、一夜明けた4日。地方2連戦を終えて大半の選手が静養に充てる中、主砲が向かったのはジャイアンツ球場だった。午前10時過ぎに球場入り。すれ違うチームスタッフからは口々に「何でいるの?」「どうした?」と声が掛けられた。疲労回復が最優先のシーズン中の休養日。主力の岡本和がチーム施設で休日返上練習を行うのは、極めて異例のことだった。

 偶然顔を合わせたファーム調整中の坂本とも約15分間の野球談議に花を咲かせ、ランニングを終えると打撃マシンに向かって計1時間、汗を流した。6月は22試合で打率2割1分7厘、3本塁打、15打点と波に乗りきれず。巻き返しに向けての思いが、行動に表れた。

 初回の本塁打は、23年8月6日の広島戦(マツダ)で大瀬良から放って以来。今季初の「号砲」がV弾となり、43打点はリーグトップに浮上し、本塁打も村上に1差とした。「勝てて良かったなと思います」。6月29日に4・5差あった首位・広島との差は1週間でわずか1に。ためこんだエネルギーを放出した4番が、巨人を波に乗せていく。(内田 拓希)

 【清水隆行Point】初回に岡本和が2ラン。高橋の投じた外角へのチェンジアップ。コースは易しくなかった。強引に打ちにいってしまうと、ゴロになりがちだが、強引にならず、いい方向(センター)へ打ったことが最高の結果に結びついた。下半身を使いながら、その力を徐々に上に伝え、最終的にインパクトにつなげる。このホームランは、それができており、ゆったりとした、いい意味でおおらかなスイングに見えた。状態は確実に上がってきており、さらなる調子の上昇が期待できる。(野球評論家)

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