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【高校野球】長野久義と巨人同期入団の監督が夏1勝 次戦はセンバツ王者・健大高崎

スポーツ報知 2024年7月7日 7時0分

◆第106回全国高校野球選手権 群馬大会 ▽1回戦  藤岡北7ー3勢多農林(6日・上毛新聞敷島)

 関東のトップを切り、群馬、茨城で戦いがスタートした。群馬では、投手として09年育成ドラフト5位で国立の群馬大(準硬式)から巨人に入団し、2年間在籍した神田直輝監督(36)が率いる藤岡北が勢多農林を下し、就任6年目で夏初勝利を挙げた。

 6年目の夏で初めて流れる藤岡北の校歌。校旗を見上げて誇らしげに歌う19人の背中を見つめながら神田監督は感慨に浸っていた。「いつも負けて相手の校歌を聞く立場。力のない代だった3年生の1年からのストーリーが頭に浮かんできて、涙が流れそうでした」

 巨人からドラフト指名を受けて15年。高校野球の指導者として大きな一歩をしるした神田監督が、刺激をもらっているG戦士がいる。同期のドラ1・長野だ。「あの年で唯一(現役で)残っている選手。お話をしたこともありますし」。6月25日に通算1500安打を達成した同期の姿は、誇りであり励みとなっている。

 けがもあって在籍は2年間だったが、巨人での経験は教員、指導者になる道しるべになった。「巨人では、裏方さんに早朝から夜まで練習を支えてもらいました。今度は自分がそういう立場になりたい」。部員23人の小規模な学校で、選手に寄り添いながら指導をしている。

 この試合では計10盗塁。「打力がないので、浅いアウトカウントでチャンスを作る」と7点を奪った。相手捕手が1年生だと分かると「いっぱい走るよ」と宣言し、大会新となる1試合18盗塁を目指した。

 守備でもプロの経験などを生かした采配を見せた。右打者の時は右へ、左打者なら左へと大胆なシフトを敷いた。「守備範囲を広げるのがなかなか難しい子たちなので、打球の来るところにいようという考えです」。シフトがはまり、8回には右翼線寄りの強い打球を右ゴロにした。

 2回戦の相手はセンバツ覇者の健大高崎だが、指揮官は「対策を立てて、見せ場を作りたい」とひるむ様子はない。チャレンジ精神とアイデアにあふれた野球で、王者にぶつかっていく。(浜木 俊介)

 ◆神田 直輝(かんだ・なおき)1988年1月18日、群馬県生まれ。36歳。前橋東から群馬大教育学部に進み、準硬式で活躍。右サイドの変則投手で、2009年秋に巨人の入団テストに合格。その後育成5位で指名される。同年のドラフトでは指名83人の中で最後に名前が呼ばれた選手となった。巨人では10年に2軍で9試合に登板も、11年は故障のため登板がなく2年で退団。19年から藤岡北監督。右投右打。

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