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「最高の景色をみなさんにお見せしたい」バスケ女子・34歳ベテランの叫びに拍手鳴りやまず 

スポーツ報知 2024年7月7日 6時30分

◆バスケットボール女子  ▽強化試合 日本92-50ニュージーランド(6日、東京・有明アリーナ)

 前回東京五輪で銀メダルの世界ランク9位・日本は、同26位のニュージーランドに92―50で快勝。パリ五輪前に国内で行われる最後の実戦を白星で締め、強化試合6戦全勝として弾みをつけた。武器の3点シュートが成功率26・7%と苦しむ中、多彩な攻撃と相手を50点に封じる鉄壁の守備で圧倒。3大会連続五輪出場の大黒柱・高田真希(34)=デンソー=は最多23得点と存在感を示した。悲願の世界一へ、日本の準備は着々と進んでいる。

 ベテランの頼もしい一言に観衆1万人以上のホーム会場が、最高潮の盛り上がりを見せた。日本は五輪前、国内最後の強化試合で42点差の圧勝。チーム最多23得点の34歳・高田は試合後、コート中央で「次は私たちが最高の景色をみなさんにお見せしたい」と声を張り上げた。鳴りやまない拍手に、立ち上がるファンの姿も。6月以降は格上の中国と豪州、そしてニュージーランドと、強化試合を無傷の6連勝で駆け抜けた。21年東京五輪銀メダルを超える目標はただひとつ。「走り勝つシューター軍団」に初の金メダルへの期待が高まった。

 日本には洗練された守備もある。コート上の修正力が光った。3点シュート(3P)を25本沈め、125点を奪った4日の同じニュージーランド戦から一転、この日は3Pが低迷。45本中、成功12本にとどまった。シューターの山本は8本中0本、林は11本中1本で「すみませんでした」と頭を下げた。攻撃で日本の良さを出し切れなかった分、全員でカバー。足を使った守りからリズムを生み出し、試合の流れを引き寄せた。

 相手のターンオーバー(攻撃権が変わること)を36本も誘発し、そこから44点を奪った。走り勝つスタイルを攻守で体現し、速攻からは23得点。スチールも計20本を記録し、平均身長で日本を約8センチも上回る相手を50点に抑え込んだ。恩塚亨監督(45)は「連係して、タフに守ることは(4日より)良かった」と手応え。高田も「恩塚さんの目指すバスケに自分たちがフィットしてきた」と自信を深めた。

 今後はフランスに入り、五輪開催国フランス、ベルギーとの強化試合で総仕上げに入る。特にベルギーは五輪1次リーグでも対戦する。指揮官は「自信をつけるような成果と、課題を解消したい。シュートの確率を高めていく。守備はプレッシャーをかけて相手を停滞させていくことにこだわっていく」と準備する。パリ初戦の米国戦まで残り約3週間。パリでより輝く景色を見るため、全員で上り詰めていく。(小林 玲花)

 エブリン感謝 〇…体を張ったプレーで、13得点の馬瓜エブリン(29)=デンソー=は、1万745人の観客に「最高の雰囲気ありがとうございま~す!」と感謝。「こっからまだまだ強い相手とやっていかないといけない。修正して、みなさんの前で勝てる姿をお見せしたい」と宣言した。妹・ステファニー(25)=サラゴサ=との姉妹五輪には「お母さん、ありがと~う!」と絶叫。妹も頭上で大きなハートマークを作って反応し、笑みを浮かべた。

 ◆21年東京五輪の女子バスケ トム・ホーバス監督が日本を史上初の銀メダルに導いた。8強入りした国で平均身長は176センチと最も低かったが、体格差をスピードと3点シュート(3P)力でカバー。3P成功率は8チーム中1位の38%を記録。準々決勝・ベルギー戦では林が残り16秒から3点シュートを決めて大逆転勝利。準決勝・フランス戦は87―71と圧倒。初の決勝・米国戦は、身長203センチのグライナーに30得点を許し、75―90で敗れた。米国は7連覇。

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