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湘南ルーキーFW石井久継、亡き祖母にささげるJ1初ゴール「うれしい」 久保建英からの学びとは…

スポーツ報知 2024年7月7日 17時21分

◆明治安田J1リーグ▽第22節 浦和2―3湘南(6日・浦和駒場スタジアム)

 湘南のルーキーFW石井久継(ひさつぐ)がJ1初得点を挙げ、逆転勝利に貢献した。

 6戦勝ちなしで迎えた浦和戦。敗戦ムードが漂う終盤、石井が劇的勝利に導いた。1―2の後半45分、ドリブルで相手2人の間を鋭く突破し、ペナルティーエリア手前左から右足を強振。シュートは浦和GK西川周作の左手をはじき飛ばし、ゴール右隅へ突き刺した。貴重な同点ゴールに「絶対にチームを勝たせないといけないという気持ちで試合に入った。自分の特長が出たゴールだった」とかみしめた。

 湘南の育成組織から今季トップチーム昇格した新鋭が、リーグ通算15戦目で初得点。チームに勢いをもたらし、アディショナルタイムにFWルキアンの逆転ゴールを呼び込んだ。7日に迎える19歳の誕生日を自ら祝う一発。試合後にはサポーターから「ハッピーバースデー」の大合唱で祝福され「自分で誕生日を祝うことができたし、何より家族が一番喜んでいると思う」とはにかんだ。

 憧れの守護神からの得点に喜びもひとしおだった。小学5~6年の頃、巧みなパントキックに憧れた浦和GK西川と同じメーカーのGK手袋を買い、キックを練習していた。「西川選手の左足のキックがすごくて、憧れてやってた。そんな選手から点が取れたことがすごくうれしかった」と声を弾ませた。

 3か月前に死去した祖母にささげるゴールだった。試合後のインタビューでは「すごいうれしいです」と目を潤ませた。

 4月6日に亡くなった母方の祖母・渡辺栄子さんの月命日。地元の岡山で長らく闘病生活を送ったが、容体が急変して他界した。自身は湘南に移り住んだため「会っても年に2回くらいだった。最後まで何もしてあげられなかった悔しさもあった」と石井。「自分も頑張るよ、というメッセージが届いたかな。少しは、おばあちゃん孝行ができたと思う」と笑みを浮かべた。

 大きな刺激を受ける選手がいる。日本代表MF久保建英とは関係者を通じて知り合い、ともに食事に行くなど親交がある。海外や代表など経験豊富な久保から学んだことは「自信」だという。「久保選手は自信を持ってる選手。話を聞く時も全部ポジティブで、言葉に力がある。本当にためになる時間で刺激になった。自分も頑張らなきゃなと思う」と明かした。

 J1の舞台で成長を続ける石井は、28年ロサンゼルス五輪世代の有望株だ。「この4年間で良くも悪くも代わる。本当に自分に目を向けてやっていかないといけない」。23歳で迎える大舞台に向けて、さらなる成長を見据えた。

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