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堤聖也が“世界前哨戦”に4回TKO勝ち 「本物のチャンピオンに勝って僕もチャンピオンになる」

スポーツ報知 2024年7月7日 20時33分

◆プロボクシング ▽フェザー級(契約体重56キロ以下)10回戦 〇堤聖也 (4回TKO) ウィーラワット・ヌーレ●(7月7日、東京・両国国技館)

 前日本バンタム級王者で世界ランカーの堤聖也(角海老宝石)が、契約体重56・0キロ以下(フェザー級相当)のノンタイトル10回戦でウィーラワット・ヌーレ(タイ)に4回TKO勝ちした。

 戦績は28歳の堤が11勝(8KO)2分け、22歳のウィーラワットが4勝(2KO)2敗。

 序盤、堤は左ボディー、右ストレートなどを繰り出すも、身長166センチの堤より10センチ高いウィーラワットをなかなかとらえられない。だが3回、足を使ってリズムを取ると、左ボディーからワンツーと上下にパンチを散らす。相手の動きが鈍くなるとボディーを中心にパンチを集め、左ボディーで最初のダウンを演出。さらに連打でダウンを重ねた。

 4回、右を効かせて左で3度目のダウンを奪った堤。さらに連打から左で倒すと、レフェリーはカウントせずに試合を止めた。

 ここまでは強豪との激闘続きで「勝って当たり前と言われるぐらいの相手とやるのは本当に久しぶり。デビュー戦以来かもしれない」と堤。だが、あえて「パンチを効かされるとか、倒されるとか、しっかりと相手を高く見積もって緊張感を高めた」と気を引き締めて臨んでいた。リング上で勝ち名乗りを受けると「一安心ですね。とりあえず課題の組み立てはできた。僕自身に高い点数はあげられないけど、次に挑む立場になったら、僕はもっと強いので」とアピールした。

 世界を見据えて、4度防衛した日本王座を返上した。3月からは約1か月半、オーストラリアへ渡って前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)のスパーリング相手を務めた。5月下旬からは昨年に続いて渡米。ロサンゼルスでマニー・ロブレス・トレーナーの指導を受ける一方、WBC王者・中谷潤人(M・T)やWBO世界フライ級王座決定戦(20日)に臨むアンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)相手に実戦練習を行った。

 実は、試合が決まってからはしばらく、思うような動きができなかったという。「帰国後は少し調子が悪かった。オーストラリア、アメリカに行ったんですが、スパーリングとサンドバッグ打ちが中心だった。アメリカでは、マニー・ロブレス・トレーナーに任せていて、帰国してから、いいところは吸収してという感じ。しっかり打ち込めたのはよかったが、コンビネーションが少なくなって…。その点を修正してきた」と石原雄太トレーナー。「遠い距離だとスロースターターになる。ウサギというよりはカメ」と分析していただけに「3ラウンドが1ラウンドだったら…。世界戦になると、ペースを取られたら」と振り返った。

 現在、バンタム級はWBAが井上拓真(大橋)、WBCが中谷、IBFが西田凌佑(六島)、WBOが武居由樹(大橋)と、主要4団体全ての世界王者が日本人。「このメンバーで(世界王座を)取ったら価値がある」という堤は戦いたい相手として、井上拓の名を挙げている。「僕は去年の試合(穴口戦)が終わったところから、ずっと世界を見て練習をやってきた」と堤。「みんな日本人、となると、すごく負けたくないというのが出ちゃう。全部欲しくなるので。強いチャンピオンに挑んでいく、その中で勝つ、ベルトを取るというのは価値がある。本物のチャンピオンに勝って、僕もチャンピオンになる」と年内の世界挑戦にロックオン。石原トレーナーは「今よりもレベルを上げないと世界は取れない。修正していかないと」と気を引き締めていた。

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